播磨平野とは? わかりやすく解説

はりま‐へいや【播磨平野】

読み方:はりまへいや

兵庫県播磨灘面する平野加古川・揖保(いぼ)川などが流れ米作地帯東部段丘発達し灌漑(かんがい)用の溜(た)め池が多い。臨海部工業地帯中心姫路市姫路平野播州(ばんしゅう)平野


播磨平野

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/14 03:01 UTC 版)

播磨平野(はりまへいや)は、日本の近畿地方兵庫県西部に広がる平野姫路平野(ひめじへいや)・播州平野(ばんしゅうへいや)とも。瀬戸内海に属する播磨灘に面し、加古川市川夢前川揖保川などが流れる。平野東部は、印南野(いなみの)台地と呼ばれるなだらかな河岸段丘になっており、ため池が多い。

兵庫県姫路市たつの市高砂市加古川市三木市加西市西脇市加東市小野市明石市神戸市西区垂水区)、神崎郡福崎町加古郡稲美町播磨町)、揖保郡太子町などの自治体が位置する。

播磨国の主要部分であり、兵庫県南西部の中心的な場所を占める。

交通

鉄道

道路

  • 中央部を山陽自動車道及び国道2号、山沿いを中国自動車道が東西に、播但連絡道路国道312号国道175号が南北に、因幡街道として国道29号及び国道179号が出雲街道として北西へ延びる。また北東方向へは、姫路から加西・社・篠山・亀岡さらには京都へ向かう国道372号が主要道路として伸びる。国道2号よりさらに浜手には国道250号(浜国道)が東西に走り、高砂から御津(たつの市)付近までの交通を確保している。
  • 江戸時代までは山陽道は整備されておらず、姫路から大阪までは航路であった。都へは北条・社・篠山・亀岡を経由する陸路(現在の国道372号線とほぼ同じ)が主要街道であった。

港湾など

城郭

産業

  • 海岸部の埋立地に、高砂、飾磨(姫路)の火力発電所、広畑の製鉄所をはじめ工場が多く、海運の便も良いことが見て取れる。阪神工業地帯に対する下請、分工場のような位置づけの中小工場、また戦前からの大規模工場も存在する(川崎重工など)。
  • 地場産業として龍野では醤油そうめんなどが、三木では金物播州三木打刃物)、小野ではそろばん、加西・西脇では播州織、東条では釣り針、姫路から明石にかけてでは煉瓦マッチなどが生産される。
  • 温暖肥沃で水利・日照に恵まれ、古くから米、特に醸造好適米の産地として知られ、吟醸酒を支える山田錦の発祥地美嚢地区(現三木市)は播州平野の北端にあたる。加古川から姫路にかけての「西灘」は阪神間の「東灘」とともに、これら米と水に恵まれた銘醸地である。また小麦は、特に龍野地域の醤油、そうめんの原料として江戸時代から有名である。
  • 播州平野の海岸沿いは、瀬戸内海・播磨灘の漁場であり、記紀時代から海の幸に恵まれた地と記されるところである。近代栽培漁業、とりわけハマチノリ養殖の実用化は兵庫県立水産試験場(現・兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター)の功績である。
  • 海産物の加工業も盛んである。蒲鉾などのねりもの、焼きアナゴ、いかなごの釘煮、干し蛸などは当地の観光みやげのほか、通信販売(いわゆる「お取り寄せ」)ブームを追い風に全国に知られつつある。

観光

歴史と文化

  • 古くからの景勝地として、記紀・風土記の記録や、万葉集以来数々の文芸作品に取り上げられてきた。これにちなんだ文学碑や著名人の揮毫などが、主に海沿いの旧街道(山陽道)沿いの寺社・公会堂や旧家などに散在している。
  • 源氏物語須磨明石の両段は、もちろんフィクションではあるが、当時の宮廷人からみた播磨地方のイメージを色濃く残すものと言われている。須磨は摂津国、明石は播磨国に属しており、ここを境に畿内と山陽道に分かれていた。
  • 源氏の配流にあるように、五畿内から西に外れた最初の鄙(ひな)として、行刑としても自発的な謹慎としても、宮廷人が都落ちする場所として最初に想起される土地柄であった。
  • 芝居・小説の題材としては、陰陽師(陰陽法師)や僧兵崩れの乱暴者が播磨の特産として取り上げられることが多い。前者では道摩(道満)法師ら、後者では武蔵坊弁慶が挙げられる。これは、古くから民間陰陽師集団があり、また書写山円教寺をはじめとする修行道場が盛んで、そこから脱落した修行者などがモデルになったといわれている。

関連項目




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