憲法改正の論点
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「日本国憲法改正案一覧」および「伊藤修 (参議院議員)#憲法改正論に関する主張」も参照 日本での憲法改正をめぐる論点はいくつかある。 戦後間もなくから、天皇の地位を憲法上明確に元首と定めることや、憲法上規定される人権を必要に応じて法令で制限できるようにすべき(「公共の福祉」における外在的制約説採用論)、といった声があった。 日本国憲法第12条改正に関わる論議。公共の福祉の解釈に対立があり、多くの公共事業や国家賠償訴訟で司法的争点となってきた。また国家緊急権や徴兵の議論でしばしば取り上げられる。日本国憲法第11条・日本国憲法第13条も議論に含まれる。一票の格差問題など。 日本国憲法第9条。日本の再武装と警察予備隊・自衛隊の議論、及びこれに伴う軍事裁判所・憲法裁判所の設置についてはサンフランシスコ講和条約締結に関わる国会論戦の頃からの最大の論点であった。 憲法制定当時からの時代が進むにつれて新しい類型の人権が意識され、裁判所においても一定の新しい人権を解釈にて認めるようになってきた。 憲法改正の具体的要件である国民投票法が長らく存在していなかった。投票方式についても争点があり、自民党当初案では個別投票方式ではなく一括投票方式で様々な条文を一度に改正が可能な制度になっており、公明党の反対により一括投票方式には固執しなくなったが、現在の国民投票法では一括投票方式も可能な条文となっている。 自民党が衆議院を与党多数で押さえている結党50周年のタイミングで新憲法草案を発表すると、時代が変わってきたので以下のような点で新しい憲法が必要であるという改憲派と、改憲は不要あるいは危険とする護憲派の間で、熾烈な論争になってきている。産業の発達などで生じた問題に対処するための「環境権」や「プライバシー権」など新しい基本的人権の追加 民意をより国政に反映するための首相公選制あるいは大統領制の導入 中央官庁主導の行政を改善するための道州制の導入 衆議院・参議院を並立させている両院制の見直し(参議院の廃止、一院制への移行) 私学助成金が違憲となっている状態の解消(ただし、判例によると現状の私学助成は合憲だとされる) 憲法改正手続きの基準緩和 その他、今の憲法前文には、日本の歴史・伝統・文化の記述が無いので、歴史・文化・伝統を憲法に明記すべきという意見もある。また、国会が行政を監視する機能を作るないしは強化すべきという意見もある。 以下に主な論点の内容を概説する。
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