憲法改正の手続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 00:35 UTC 版)
憲法改正に適切な手続きを定めるのは、革命やクーデターなど非合法な憲法の変更を防ぐ目的がある。適切な改正手続きがあれば重要な政治体制の変革はすべて憲法改正の形で合法的におこなえるからである。憲法の定める改正手続きによらない憲法の変更、たとえば、革命やクーデターは、非合法であり、許されない。しかし、そういう禁止がかならずしも事実において守られないことも、諸国の歴史の示すところである。 なお、改正の実際上の難易について、硬性憲法であることは、改正が常に事実として困難であるとはいえない。同じ硬性憲法であっても、明治憲法は、五十年余にわたって一回の改正もなかったが、スイス憲法、アメリカの多くの州憲法は、しばしば改正されている。これに反して、軟性憲法の一つといえるイギリス憲法の場合、必ずしも改正が容易に行われるとはいえない。憲法の規定が詳細か簡潔か、憲法を政府や国民がどのような規範として意識しているか、政治的・社会的変化により憲法と実際とに厳しい隔離が生じているかどうか、その空隙を埋める方法として、解釈運用の果たす役割をどう考えるか、改正を実現するに足りる政治力が存在しているかどうかなどによって決まるものである。
※この「憲法改正の手続」の解説は、「憲法改正」の解説の一部です。
「憲法改正の手続」を含む「憲法改正」の記事については、「憲法改正」の概要を参照ください。
憲法改正の手続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 03:33 UTC 版)
日本国憲法は、第9章第96条に改正の手続を定めている。この規定を実施するためには法律の制定が必要になる。国会の発議の方法は国会法68条の2〜6に定める。国民投票については、2007年になって日本国憲法の改正手続に関する法律が制定され、完全施行は2010年5月18日である。憲法の条文中の「各議院の総議員の三分の二以上の賛成」および「国民投票…の過半数の賛成」という改正の要件につき、その母数が明確でない(議員の母数につき議員の法定数か現に在職する議員数か、国民投票の母数につき有権者総数か有効投票数か)ため、その解釈には争いがあったが、同法は国民投票について有効投票総数を母数とした。 日本国憲法の改正手続が、諸外国の憲法の改正手続きと比較すると厳格であるとする意見がある。改正手続き規定を改正できるかどうか、憲法学上は二分しているが、厳格であるとする立場から出された憲法改正大綱や草案では、改正手続きが緩和されていることがある(自民党、民社協会、維新の会、みんなの党など)。自民党新憲法草案では現行の「各議院の総議員の三分の二以上の賛成」という要件を、「各議院の総議員の過半数」に緩和する。その後の、国民投票の承認の要件は現行通りである。
※この「憲法改正の手続」の解説は、「憲法改正論議」の解説の一部です。
「憲法改正の手続」を含む「憲法改正論議」の記事については、「憲法改正論議」の概要を参照ください。
- 憲法改正の手続のページへのリンク