平日正午戦争
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1960年代から1970年代後半にかけてTBSの『ベルトクイズQ&Q』、テレビ朝日の『アフタヌーンショー』の2大番組が争っていた。1970年代の昼の視聴率で苦戦していたフジテレビは1980年10月、漫才ブームに便乗し『笑ってる場合ですよ!』を放送。それから2年後、漫才ブーム終焉後の1982年10月、『森田一義アワー 笑っていいとも!』(以下『笑っていいとも!』)の放送を開始する。『笑っていいとも!』は瞬く間に人気を博し、2002年4月には司会者のタモリが「生放送バラエティ番組 単独司会者による生放送の長寿記録」を樹立し、翌2003年版のギネスブックに登録されるほどの人気番組となり、2014年3月、本放送の最終回とは別に特番としてゴールデンタイムに放送された『笑っていいとも!グランドフィナーレ 感謝の超特大号』(事実上の最終回)では、タモリが「生放送バラエティ番組 単独司会者最多記録」、番組自体も「生放送バラエティ番組 放送回数最多記録」として、それぞれギネスに認定された。 1985年、8月に起きたやらせリンチ事件をきっかけに2ヶ月後に『アフタヌーンショー』が打ち切られると、他局の番組に太刀打ちできる番組はなく、正午の時間帯は『笑っていいとも!』の一人勝ち状態となったことから、視聴率争いは日本テレビ、TBS、テレビ朝日による2位争いに移行した。みのもんたは『午後は○○おもいッきりテレビ』(以下『おもいっきりテレビ』)の司会に就任した際の記者会見で、目標を『笑っていいとも!』ではなく、当時時間帯2位だったTBSの『新伍のお待ちどおさま』に設定するなど2位争いが過熱した。 日本テレビは1987年10月に、『おもいッきりテレビ』を放送。当初は『笑っていいとも!』をはじめ他局に苦戦したが、1989年に司会の山本コウタローが参議院選挙出馬のため降板。みのもんたに司会が変わると、それまでの内容を一新した事が功を奏し、中高年を中心に人気が出始めた。これで3局の2位争い一歩抜きん出て単独2位となったどころか、日によっては視聴率で『笑っていいとも!』を逆転することもあり、ここに「みのもんた症候群」という造語までできた『おもいっきりテレビ』と、若者を中心に安定した人気を保つ『笑っていいとも!』との2番組の戦いへと変わっていく。 一方、アフタヌーンショーの打ち切り以降、同時間帯で苦戦し2位争いから脱落していたテレビ朝日は、1996年4月に『ワイド!スクランブル』を放送。再びワイドショー路線に回帰すると同時に視聴率も上向きになった。2004年4月1日保坂尚希の離婚会見を独占生中継した際は『笑っていいとも!』、『おもいっきりテレビ』を抑え、第2部(当時は12時 - 13時5分)で視聴率1位を獲得するなど放送内容によっては『笑っていいとも!』や、『おもいっきりテレビ』を上回ることもあった。 TBSの1980年代は、『ベルトクイズQ&Q』と、そのモデルチェンジ版である『スーパーダイスQ』や、かつて月曜19時台後半枠の人気番組だった『人生ゲームハイ&ロー』シリーズの放送時間を40分に拡大し、帯番組としたリニューアル版である『貴女も社長ハイ&ロー』(1985年4月に『社長かヒラか!ハイ&ロー』に改題)の相次ぐ終了以降、昼の番組に苦戦することになった。特に1990年代は『新伍のお待ちどおさま』が終了すると、テレビ朝日同様に短命で終了する番組が続出、TBSの正午は死に枠とさえ言われた。2000年開始の『ベストタイム』の放送以降苦戦を続けていたが、2012年『ひるおび!・午後』にて年間視聴率が同時間帯横並びトップを獲得した。 その後、日本テレビの『おもいッきりシリーズ』(おもいッきりテレビ・『おもいッきりイイ!!テレビ』・『おもいッきりDON!・第2部』)は2010年3月まで続き、その後『DON!』を経て、2011年3月からは『ヒルナンデス!』を放送。2014年3月、フジテレビは人気番組『笑っていいとも!』を終了させ、4月より『バイキング』(2020年9月28日より『バイキングMORE』に改題)を放送。テレビ朝日も同年4月より長寿番組『徹子の部屋』の放送枠を移動し、2020年春改編にて13時に放送枠を再度移動した。そして、2022年4月に『バイキングMORE』は、2015年4月より総合MCを務めている坂上忍が、彼のライフワークである「動物保護活動に注力する」という理由で番組卒業を申し出、それと同時に番組自体も終了。後継番組は佐野瑞樹、山崎夕貴両アナウンサーを進行MCに起用し、明るい芸能ニュースに特化したワイドショー番組『ポップUP!』を開始した。 これにより平日正午の視聴率争いは再び混沌としている。
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