尾張津島天王祭の車楽舟行事
名称: | 尾張津島天王祭の車楽舟行事 |
ふりがな: | おわりつしまてんのうさいのだんじりぶねぎょうじ |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | 津島神社奉賛会 |
指定年月日: | 1980.01.28(昭和55.01.28) |
都道府県(列記): | 愛知県 |
市区町村(列記): | 津島市,愛西市 |
代表都道府県: | 愛知県 |
備考: | 7月第4土曜日・翌日曜日 |
解説文: | 津島神社の津島祭の車楽舟行事で、宵祭(七月の第四土曜日)と朝祭(翌日曜日)からなり、天王川で行なわれる。 宵祭は旧津島五カ村の米之座【こめのぎ】、下構【しもがまえ】、堤下【とうげ】、筏場【いかだば】、今市場【いまいちば】から五艘のまきわら舟が出る。舟の屋台の上に半円、山型に三百六十五箇の提灯を飾り、中央高く立てた真柱には十二箇の提灯をかかげ北の堤の御旅所に神幸【じんこう】し、上陸後御旅所の神輿に参拝して引きあげる。 翌日の朝祭には市江車【いちえぐるま】と称する旧市江村から出る車楽舟を先頭とし、再び車楽舟五艘が提灯をおろし能人形を飾り奏楽をしながら御旅所へ上ってくる。御旅所近くまで来ると市江車から十人の裸の若者が鉾を持ってつぎつぎに川に飛び込み、舟より先に着岸し、御旅所の神輿に参拝する。若者達はそのまま津島神社に走り、神社の石橋に新しく張られた〆繩【しめなわ】を切る。つづいて着岸した車楽舟から稚児が上陸し、太鼓の桴【ばら】を肩にし警固役の肩車にのって御旅所に参拝する。稚児は神輿の還御に供奉して津島神社に行き、拝殿で津島笛に合わせて太鼓を打つ。 尾張津島天王祭の車楽舟行事は前述の如く盛大なもので、さきに指定された京都祇園祭の山鉾行事とともに代表的な夏祭で、特に川祭として特色がある。 |
祭礼(信仰): | 大江八幡神社の御船行事 室根神社祭のマツリバ行事 宮古島のパーントゥ 尾張津島天王祭の車楽舟行事 岩木山の登拝行事 川越氷川祭の山車行事 弘前のねぷた |
尾張津島天王祭
尾張津島天王祭 Owari Tsushima Tenno Festival | |
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宵祭 | |
イベントの種類 | 祭り |
開催時期 | 7月第4土曜日とその翌日 |
初回開催 | 室町時代 |
会場 | 津島神社・天王川公園(愛知県津島市) |
公式サイト |


尾張津島天王祭(おわりつしまてんのうまつり)は、愛知県津島市と愛西市に伝わる津島神社の祭。江戸末期の東海道名所図会には、津島祭と記載されている。
概要
祭は数か月にわたり様々な行事、儀式、神事が行われるが、7月第4土曜日の「宵祭」とその翌日に行われる「朝祭」(元はそれぞれ旧暦の6月14日と15日に行われていた[1])がクライマックスであり、「尾張津島天王祭の車楽舟行事」として重要無形民俗文化財に指定されている。2016年(平成28年)12月1日には、「山・鉾・屋台行事」としてユネスコの無形文化遺産に登録された。大阪の天満天神祭、厳島神社の管絃祭と並び日本の三大川祭の1つに数えられる。
詳しい史料がないため正確な創始年代は分かっていないが、現存する史料から15・16世紀ごろに始まったと推測される[2]。祭の由来には諸説あるが、主要なものは以下の3つ[3]。
- 南北朝時代に津島に逃れてきた南朝方の良王親王を守っていた津島の四家七苗字の武士を、北朝方の佐屋村の武士・台尻大隈守が船遊びを名目に討ち取ったことから行われるようになった。
- 西の海から市江島(現在の愛西市東保町)に着船した須佐之男命が、草刈りの子供が遊んでいるのを見て児の舞「津島笛」の譜を作り、その後疫病が流行した際に神様を慰めるために祭りが行われるようになった。
- 神泉苑に御霊を鎮め送った祭事が各地に伝播したもの。
尾張津島天王祭は現在では天王川公園の「丸池」で行われるが、1785年(天明5年)に築留めが行われるまでは天王川(津島川)で行われていた[2]。築留め以前は津島神社の参道に長大な「天王橋」がかかっており、津島北方の勝幡城を本拠地とした織田弾正忠家の織田信長はこの橋から尾張津島天王祭を観覧したと伝えられる[2][4]。
宵祭は、500個余りの提灯をまとった巻藁舟が、津島笛を奏でながらゆうゆうと天王川公園の「丸池」を漕ぎ渡り、揺らめく提灯が川面に映りその美しさを際立たせ、朝祭には津島の5艘に愛西市佐屋地区の「市江車」が先頭に加わり 6艘の車楽船が能人形(能の演目の衣装をまとった人形)を飾り楽を奏でながら漕ぎ進む。市江車からは10人の若者が締め込み姿で天王川に飛び込み、布鉾を持って泳ぎ渡り神前に奉納するため走る姿は勇壮である。
2023年は7月22・23日に開催された。台風やコロナ禍などの影響により中止や規模を縮小しての開催であったが、6年ぶりの通常開催となった。
ギャラリー
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朝祭
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明治末期の津島祭
脚注
関連項目
外部リンク
- 尾張津島天王祭 由来 - 津島市公式ホームページ
- Network2010 - 尾張津島天王祭
- 尾張津島天王祭の車楽舟行事 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 尾張津島天王祭の車楽舟行事のページへのリンク