対象の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 13:28 UTC 版)
子供にとって母親の存在は大きく、母親というアイコンそのものがノスタルジアに置き換えられることがある(例として、特攻隊員の母親への手紙や、「おふくろの味」など)。また青春も同様にして記号化され、ノスタルジアを表す言葉として置き換えられることが多い。 流行(ブーム)から生まれた一連の事物は、一時代を象徴するとともに新たな流行の到来によって現実世界から分離されるため、「懐かしさ」を感じやすい。通常はファッション(髪型や化粧法を含む)、楽曲、自動車、字体、CMなど、デザインや表現に一定の自由を有し、常に変革が求められる物に適用される。建築物は、歳月を感じさせる現象が物理的劣化として如実に顕在化するため、これもまた「懐かしさ」を誘起させる(→廃墟マニア)。他にも、漫画やアニメにおける作画のタッチ、写真・音響・映像の撮影方法・記録方法に伴う画質や音質、楽曲に使用される楽器の音色など、潜在的な部分で特定の時代背景や歴史的変遷を窺わせるようなものは凡ゆる場面で見出すことができ、人々に「懐かしさ」を想起させる。 旅行(中でも一人旅や放浪)は、その土地々々における人々との出会いと別れ、一期一会の感覚(これ以降もはや一生再会することはないだろうという思い)がノスタルジアを増幅させやすく、作品として昇華されることも多い。同様の考え方としては、失恋や人の死なども、ある種ノスタルジアと密接に関連した事象と言える。 また季節の「夏」は、外出・レジャーの機会が多いことや夏休み・お盆休みという大型連休があることも相まって、個人的思い出が形成されやすく、自伝的記憶によるノスタルジアが誘起されやすくなる。また他の季節に比べ、草木の色や匂い、昆虫の鳴き声などの視覚、嗅覚、聴覚を刺激する現象が多いことも個人的思い出が形成されやすい一因と考えられる。 ロリータ・コンプレックスは自分が幼少の頃の同年配の少女への思いが個人的なノスタルジアとなっていると解釈できるだろう。
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