宮崎親子の確執とは? わかりやすく解説

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宮崎親子の確執

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 11:13 UTC 版)

ゲド戦記 (映画)」の記事における「宮崎親子の確執」の解説

この作品については、宮崎親に関する確執公開前から取り沙汰されており、公開に至るまで親子間、またはジブリ内での紆余曲折が、しばしば話題にされた。 宮崎駿は、映画監督経験がない吾朗が監督に就くことに「あいつに監督ができるわけがないだろう。絵だって描けるはずがないし、もっと言えば、何も分かっていないやつなんだ」と言って猛反対した。ここで鈴木は吾朗にイメージ画を描かせ、吾朗は『竜とアレン向き合う絵』を描きあげた。これを見た駿は唸り黙ってしまったという。そして吾朗に「お前、本当にやれるのか?」と3日わたって何度も問いただしたが、それでも吾朗は監督をやると返答し続け、そして宮崎駿はようやく吾朗が監督するのを呑んだという。鈴木はこれを聞き1枚描いてくれと頼み、それがホート・タウンの町の原型となるイメージとなった。 それでも息子仕事進行具合が気になっている様子を見かねた鈴木が、独身社員出会いの場を建前宮崎駿を含む本作品の製作スタッフ集めすき焼きパーティーを催す。その席で本作品の出来具合を(古参の)女性スタッフ訊ねると「ミヤさん(宮崎)が引退した後、ローン支払いどうするか心配をしていたが杞憂だった」と言われ、「ふざけるな!」とヘソ曲げたという。 2005年6月鈴木と吾朗は、原作者に吾朗を監督にする了解を得るため渡米予定していたところ、駿は「吾朗がやると決めたじゃないか」「監督というのは少しでも時間あったら1枚でも多く画を描くべきだ。原作者交渉するのはプロデューサー仕事だろう!」と一喝した。「じゃあミヤさんが来てくださいよ」と鈴木促され仕方なく駿と鈴木渡米する原作者面会の場で、駿は昔書いたゲド戦記」などのスケッチ見せ原作への思い入れや、自身への影響熱烈に語りスクリプトについては責任を持つということル=グウィン了承得た。なおこの際上記「竜とアレン向き合う絵」をル=グウィン見せ、駿は「この竜と少年の絵は、原作表現比べるおかしいですよね?」と吾朗の解釈について批判する一幕もあった。帰国後、駿はスクリプトの件で「あんなこと、言わなきゃよかったと言いその後も悩むこととなったが、結局シナリオには一切関わらなかった。ただし、脚本行き詰まる吾朗に対し「『ゲド戦記』なんかやらずに『シュナの旅』をやればいいんだ」と助言し、それが本作大きな指針となったその後も『ゲド戦記』(と息子)に対す宮崎駿執念確執燻り続け2005年暮れになって鈴木の下へ現れ宮崎駿は「今からでも間に合うから吾郎降板させて、俺に監督をさせろ」と言い出し鈴木困惑させるその時宮崎駿案によるプロットは、老いて襤褸を纏ったゲド基軸とする物語であった作品完成直前まで漕ぎ付けて息子宮崎吾朗対する溝は埋まらず、『ルパン三世 カリオストロの城』公開当時観客動員が奮わなかった上「監督1作目にしては良く出来ていた」などと評価されたことに根強い恨み持っていた宮崎駿は、「俺も同じように“監督1作目にしては良く出来ていた”と言ってやる」と息巻いていた。ただそれは、宮崎駿が次もやろう奮起した言葉でもあったと鈴木語っている。 公開前には「行かないと言っていた宮崎駿であったが、初号試写現れ関係者驚かせる鈴木は「行かないと言ってたのに何故来たの? どうせ途中で帰るんでしょ」と忠告し事実、駿はその通り上映途中で煙草のために数分席を立って、「気持ち映画を作っちゃいけない」と語ったその後試写室戻り試写の後「大人になってない、それだけ」と感想述べた宮崎初号隣の席で共に見た色彩設計保田道世自身アトリエで、「初めにしてはよくやったっていうのは演出にとって侮辱だからね。この1本で世の中変えよう思ってやんなきゃいけないんだから。変わりゃしないんだけれど変わらないけどそう思ってやるのがね、映画作るってことだから」と話している。後に宮崎駿本作品に対し保田通じて素直に描けていて良かった」との感想を吾朗に伝えた。なお、後のジブリ作品コクリコ坂から』では吾朗の監督起用に駿は反対ていない

※この「宮崎親子の確執」の解説は、「ゲド戦記 (映画)」の解説の一部です。
「宮崎親子の確執」を含む「ゲド戦記 (映画)」の記事については、「ゲド戦記 (映画)」の概要を参照ください。

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