実験を用いた論文において"Method"に記載されるべき事柄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 06:31 UTC 版)
「IMRAD」の記事における「実験を用いた論文において"Method"に記載されるべき事柄」の解説
この項目に記載すべきことは、 実験に用いた装置の構成 測定原理(なぜ自分達が用いた装置の構成で測りたいものが測れるのか) 実験手順(実験の大まかな流れ、装置の操作手順、試薬の配合手順等) 測定条件 データの解析方法 などである。また、必要に応じて、考察の展開に必要な理論的な準備を記載する。理論的な準備のために、Theoryという項目を別途用意する場合がある。項目"Theory"を用意する場合は、通常は、Methodの前に置く。「Introduction内の研究方法の概略 (MI)」を省略した場合には、場合によっては「問題解決の着眼点を示すこと」や「その方法を選択した理由を述べること」もここで行う必要がある。 必要に応じ、予備知識の補足を与える場合もある。予備知識の補足を行う場合には、説明するべき概念の、 定義 / 特徴付け: (例: 「1Nとは1kgの質量を持つ物体に 1 m / s 2 {\displaystyle 1m/{s}^{2}} の加速度を生じさせる力」のことである) 起源: (例: 電場の起源は空間上に電荷が存在することである) 他との関係: (例: 電荷は電場を生み、電流は回転する磁場を生み、電場の時間変化も回転する磁場を生む) 定義の妥当性 / 存在証明の概要: 大まかな見通し / オーダー、スケール直観的な理解を助けるための小話: (人体の中の電子が陽子より1パーセント多いとすると地球全体の重さを持ち上げるくらい強い力が生じる(by ファインマン)) 例 等を説明することが考えられる。予備知識に関する情報を与える場合には、研究目的、研究方法、読者層を意識して何を書くかを検討する必要がある。つまり、どこまでを自明としてよいかは、論文の内容に強く依存する。論文の作法の常識に立つと、このような研究背景で先行研究内での磁場の定義をまとめた上で、ResultやDiscussionでどのような立場に立つのがよいのかをしっかりと述べる必要がある。 理論的な予備検討や、解析に用いる手法の道具立て等を目的として、Theoryなどといった項目を置く場合がある。数式を利用すると、言葉では説明しにくい、誤解を招くことがある事柄を明確に記述でき、込み入った説明を行う場合には分かりやすい記述ができる。一方で、「見た目」がいかつくなり、一般向けの書物では「数式が1つ増えるごとに読者が半減する」といわれる。また、特にショートレターでは式変形等の過程をあまり詳しく書かない傾向があるが、式変形等の過程に飛躍が多いと、数式を使うメリットが半減する。
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