姨捨山とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 姨捨山の意味・解説 

うばすて‐やま【姨捨山】

読み方:うばすてやま

【一】おばすてやま

【二】(「姥捨山と書く)役に立たなくなった老人を山に捨てたという伝説から、組織などで、年をとってあまり役に立たなくなった人を移しておく部署地位のたとえ。


おばすて‐やま〔をばすて‐〕【姨捨山】

読み方:おばすてやま

長野県千曲(ちくま)市にある冠着(かむりき)山の別名。標高1252メートル古くから「田毎(たごと)の月」とよばれる月見名所更級(さらしな)に住む男が、山に捨てた親代わり伯母を、明月輝き恥じて翌朝には連れ戻し行ったという、姨捨山伝説知られる。[歌枕

「わが心なぐさめかねつ更級や—に照る月をみて」〈古今・雑上〉


おばすてやま 【姨捨山】

姥捨山

姨捨山

読み方:おばすてやま

  1. 小石川豊川町日本女子大学異名不美人が多い処といふ意より来る。
  2. 女子大学のことをいふ。老嬢多く集つて居るから起つのである
  3. 老嬢多くいるところ、特に女子大学を罵嘲した語。信州姥捨山故事をもじつたもの。
隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

姨捨山

読み方:オバステヤマ(obasuteyama)

初演 享保14.1(京・吉太郎座)


冠着山

(姨捨山 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 16:17 UTC 版)

冠着山
標高 1,252 m
所在地 日本
長野県千曲市東筑摩郡筑北村
位置 北緯36度28分07秒 東経138度06分24秒 / 北緯36.46861度 東経138.10667度 / 36.46861; 138.10667座標: 北緯36度28分07秒 東経138度06分24秒 / 北緯36.46861度 東経138.10667度 / 36.46861; 138.10667
山系 筑北三山
冠着山の位置
プロジェクト 山
テンプレートを表示

冠着山(かむりきやま)は、長野県千曲市東筑摩郡筑北村にまたがる。標高 1,252メートルで、長野盆地南西端に位置する。幾つかの呼び名があり、「冠山(冠嶽)」「更科山」「坊城」とも言われる。俗称は姨捨山(おばすてやま・うばすてやま)。古称は小長谷山(小初瀬山・小泊瀬山、おはつせやま)。

地学的知見

筑北村側から見た山頂付近
ボコ抱き岩

北部フォッサマグナのいわゆる中央隆起帯と西部堆積区の境界部にあり、かつて海底に有った時代に堆積した第三紀層の砂岩、礫岩、凝灰岩が堆積した部分に、第四紀の貫入により形成された安山岩質の溶岩ドームである。山頂付近は複輝石安山岩であるため、風雨に浸食されず溶岩円頂丘(溶岩ドーム)が残ったと考えられる。直接的な火山活動の痕跡は認められないが、頂上の東側斜面の岩には柱状節理が観察出来る[1][2]1847年(弘化4年)の善光寺地震により大きな崩落があったと伝えられ、真田宝物館には地震被害を示す詳細な絵図が残されている。またこの山を特徴付けているボコ抱き岩は崩落が進み特に松代群発地震後随分小さくなったと言われている。

おばすて信仰と古文書

山頂には冠着神社を祀る鳥居とトタン屋根の祠がある。祭神は月夜見尊で、権現社であったこともあると言う。山頂で蛍が舞う7月に氏子(現在では千曲市側自治会役員の輪番)が登って御篭もりをする祭りがある。 また高浜虚子の「更級や姨捨山の月ぞこれ」の句碑(昭和32年9月建碑)もある。

この地の月に関する初見は『古今和歌集』(905年序、巻17-878)である。京都御所清涼殿には全国各地の名所の襖絵がそれぞれの和歌と共に描かれ、萩の戸と呼ばれる部屋には「おばすての やまぞしぐれる風見えて そよさらしなの 里のたかむら」との歌が添えられた千曲川の対岸[注釈 1]から望んだと見られる冠着山の襖絵の存在が伝えられている。

江戸時代の作製と見られる川中島合戦陣取り図や善光寺道名所図会(いずれも長野市立博物館所蔵)には冠着山(冠着嶽)と姨捨山は明らかに別の山として描かれているものがある。古峠を通る古代の街道(東山道支道)を使用した官人衛士防人など旅人(作者不詳)によって古今集に歌われたオバステヤマは冠着山だ、と主張した麓の更級村初代村長の塚田雅丈による内務省(現在の国土地理院)への請願活動で「冠着山(姨捨山)」の名で一般的になったのは明治期以後と言われる[3]

山名の由来

由来は諸説あり、主なものを列記する。

  • 冠着山の呼称は「天照大神が隠れた天岩戸手力男命が取り除き、九州の高天原から信州の戸隠に運ぶ途中、この地で一休みして冠を着け直した」と日本神話により伝えられている事による。
  • 姨捨山の呼称は、一説には奈良時代以前からこの山裾に小長谷皇子(武烈天皇)を奉斎しその料地管理等に従事したとされる名代部「小長谷(小初瀬)部氏」が広く住していたことによるらしい(棄老伝説によるものは後述)。この部民小長谷部氏の名から「オハツセ」の転訛(国郡郷名等を好字二字に表記するようにとの布令に従ったとする説もある)が麓の八幡に小谷(オウナ)や、北端の長谷(ハセ)の地名で残り南西部に「オバステ」で定着したものとされている。奈良県桜井市初瀬にある長谷寺に参詣することを「オハツセ詣で」と言われるのと一脈通じている。なお、仁徳天皇の孫とされる雄略天皇聖徳太子の叔父に当たる崇峻天皇など複数人が初瀬(泊瀬)の皇子と称されている。
  • 別名の更級山の呼称は更級郡の中央に位置することから、坊城は山容が坊主頭のようであり狼煙城でもあったとの伝説があることから。
  • 江戸時代の街道に近く猿ヶ馬場峠、一本松峠や古代からの東山道支道の古峠にも近い。これらの難路脇には行き倒れた旅人の屍や乗り潰された馬の死体が放置されていて、それらの骸を集めて弔った所「初瀬」あるいは「馬捨て場(バステバ)」とする説。
  • 水が地表に湧き出してせせらぎとなって川が流れ始める所を初瀬と言うことからとする説。

以上の他にも「オバステ」の地名の言われは数種あるとされる[4]

棄老伝説

大和物語』(950年頃成立、156段)[5]が姨捨説話の初見であり、謡曲(14世紀には存在)にも取り上げられているほか『更級日記』(1059年頃)、『今昔物語集』(1120年頃以降)、『更科紀行』(1688年)でも言及されている。このように往古から全国に知られた山であったが、更級郡に位置するという記述があるなど、特定された山ではなく、長野県北部にある山々の総称という見解もある。

棚田地形

脚注

注釈

  1. ^ 冠着橋付近?

出典

  1. ^ 周辺の山・冠着山(姨捨山)長野の地質見どころ100選
  2. ^ 田中邦雄; 下平眞樹; 遠藤忠慶; 熊井深志「長野県聖山南麓の新第三系 ―特に堆積相と構造運動について―」『信州大学環境科学論集』第6巻、32-35頁、1984年http://www.shinshu-u.ac.jp/group/env-sci/Backnumber/Vol06/06-07.pdf 
  3. ^ 公民館報ちくま 平成23年4月1日” (PDF). 千曲市公民館運営協議会. 2016年11月3日閲覧。
  4. ^ 姨捨山”. 千曲市観光ガイド. 2014年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月23日閲覧。
  5. ^ 『日本古典文学全集』(小学館)での段数。

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「姨捨山」の関連用語

1
更科山 デジタル大辞泉
76% |||||


3
姨捨 デジタル大辞泉
58% |||||

4
更科 デジタル大辞泉
58% |||||


6
姨捨山伝説 デジタル大辞泉
50% |||||

7
更科紀行 デジタル大辞泉
50% |||||

8
田毎の月 デジタル大辞泉
50% |||||

9
白玉の デジタル大辞泉
50% |||||


姨捨山のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



姨捨山のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
皓星社皓星社
Copyright (C) 2025 株式会社皓星社 All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの冠着山 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS