奏状合戦と尊氏討伐の決定とは? わかりやすく解説

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奏状合戦と尊氏討伐の決定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 05:20 UTC 版)

新田義貞」の記事における「奏状合戦と尊氏討伐の決定」の解説

『太平記』によると、10月尊氏細川和氏使者立て、「君側の奸」として義貞を誅伐することを趣旨とした奏状提出した尊氏奏状このようなものであった。 義貞の鎌倉幕府対す蜂起は、天皇への忠勤からではなく鎌倉幕府使者を斬った罪を逃れるためにやむを得ず蜂起し尊氏六波羅制圧知って朝敵追討掲げたのであること 鎌倉幕府打倒息子千寿王義詮)に功績大きく、その加勢を得るまで義貞は3度にわたり勝利を収めることもできず、帝の勝利貢献しなかったこと 尊氏北条残党追討にあたっている間、義貞は都において公家達と結託して讒訴していること これらの根拠から、義貞を君側の奸でありと非難し、「大逆の基」であるから義貞誅罰を行うよう進言した。一方、義貞は、これらの非難に対して明確に反論した奏状すぐさま提出した。義貞奏状は以下のようなものであった尊氏名越高家討死契機天皇方寝返ったに過ぎない 義貞が綸旨奉じて蜂起したのは5月8日尊氏六波羅制圧5月7日であり、六波羅における勝利を翌日に知ることはできないまた、千寿王の参陣は取るに足らない 六波羅占拠後、専断により護良親王部下殺害したこと 鎌倉将軍府成良親王ないがしろにし、無礼働いていること 中先代の乱の際、東国8ヵ国の管領賜ったのち、その後勅裁用いない 幕府討滅護良親王功績大きいにもかかわらず尊氏数々讒言流刑にし、拘禁したのちに殺害したこと これらにより、尊氏にこそ非がある主張し、「天地の相容れざる罪」なので、尊氏直義兄弟逆賊として誅伐する許可求めた尊氏による義貞への非難抽象的であるのに対し、それに対する義貞の反論具体的で、なおかつ足利護良親王殺害言及していることもあって、義貞の奏状の方が朝廷に対して説得力持ちえたと考えられる。しかし、『太平記』における尊氏と義貞による互い非難は、創作に過ぎないとの見方もある。 『太平記』では、この時坊門清忠が「八逆」の罪は軽くなく、護良親王殺害事実ならばその罪は免れがたい」とし、尊氏誅伐促す発言をしたが、まだこの時点では護良親王殺害明確になっていなかったため、そのまま朝議終了したという。しかしその後護良親王殺害立ち会った女房証言で、直義による親王殺害事実判明した他、直義赤松則村那須資宿、諏訪部扶重、広峯貞長、長田教泰、田代顕綱ら、諸国武士に義貞討伐促す檄文広範に送っていたことが判明する信濃市河近家陸奥伊賀盛光などに至って呼応して挙兵した。 こうして、朝議一気尊氏誅伐流れ向き11月8日天皇は義貞に尊氏直義追討宣旨発する。この時、義貞は後醍醐帝から錦の御旗賜った、と『太平記』記述する奥富敬之『太平記』におけるこれら一連の奏状合戦記述から、未だ護良親王殺害明確に知らされていない中で義貞が迅速にこれを察知したこと、弾劾状をつきつけられ時にまるであらかじめ弾劾状をつきつけられることが判っていたかのごとく、即座に反駁奏状提出できたことは、足利尊氏直義兄弟側近新田側への内通者がいた可能性があると分析している。 なお、田中大喜はこの討伐軍の大将任命こそが、寛元2年1244年)の新田政義失脚以来続いてきた足利氏嫡流新田氏嫡流支配従属関係終焉させ、新田氏嫡流新田義貞)が足利氏嫡流足利尊氏)から「自立」した瞬間であるとしている。

※この「奏状合戦と尊氏討伐の決定」の解説は、「新田義貞」の解説の一部です。
「奏状合戦と尊氏討伐の決定」を含む「新田義貞」の記事については、「新田義貞」の概要を参照ください。

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