太陽探査
地球から1億5,000万kmはなれた太陽は、表面が約6,000度の恒星
地球をいつもあたたかく照らしてくれる太陽は太陽系の中心にあり、恒星の1つです。直径約140万km、地球の約109倍もある大きな星は、地球を回る月の軌道がすっぽり入るほどです。地球からは1億5,000万kmはなれた距離にあり、ほかの恒星よりもひじょうに地球の近くにあるため、明るく、大きな光の玉のように見えます。太陽は水素とヘリウムガスからできていて、表面の温度が約6,000度、重さは地球の33万倍、体積は130万倍ほどの大きな球です。
OSOや有人スカイラブで太陽観測が可能になった
太陽は非常に明るいので観測しやすいように思われますが、地球の大気のゆらめきがじゃまになったり、大気そのものにさえぎられてX線などの観測は地上からはできません。そのため、NASA(アメリカ航空宇宙局)は1962年以来OSO(太陽観測衛星)を7回も打ち上げて観測をおこなっています。また、1973年には有人のスカイラブでも、数カ月以上もの長いあいだ、いろいろな角度からの新しい太陽の姿をとらえることができました。太陽の表面にあらわれる黒点やフレア(炎)、プロミネンス(紅炎)、コロナ(大気)などは、50億年もの昔から輝き続けている太陽のようすをまざまざと示すものです。
ドイツ生まれでNASAが打ち上げたヘリオスが太陽を観測
太陽探査機による最初の太陽への近接探査としては、ドイツでつくられ、アメリカで打ち上げて人工惑星軌道にのせた「ヘリオス探査機」があります。ヘリオスは、太陽にできるだけ近づいて黄道面から太陽系の中の磁場(じば)や太陽風、太陽電波、プラズマ、宇宙塵(うちゅうじん)、太陽表面のX線などを探査機しました。「ヘリオス1号」は1975年3月に太陽へ4,487万kmまで接近して観測しました。また、「ヘリオス2号」は1976年4月に4,338万kmまで接近して観測しました。
太陽の全容を明らかにする太陽探査機ユリシーズ
1990年10月に打ち上げられたNASA/ESAの太陽極域軌道探査機「ユリシーズ」は、木星をスイングバイして、史上はじめて太陽周回の極軌道(きょくきどう)に入ることができました。その後、太陽系を縦にめぐりながら黄道面を遠くはなれた太陽系空間のようすを探っています。「ユリシーズ」では地球からの観測やヘリオス1、2号の観測とちがって、太陽の高緯度地方もはじめて観測できることから、太陽自体と太陽の活動を有史以来はじめて立体的に全体像までを理解できることになります。1995年6月に太陽の北極地方の上空に到達したユリシーズは、ぐるっと一周し、2001年7月に地球に最接近しました。そして今はふたたび、太陽の北極へ向けての軌道を移動し、太陽を観測しつづけています。
ひのとり、ようこうによって太陽フレアのナゾが明らかに
1981年2月、太陽活動期のさなかに東京大学宇宙研究所による科学衛星ひのとりがブラック結晶分光装置、蛍光比例計数管、硬X線・ガンマ線検出器、超精密の太陽顕微鏡などを搭載して打ち上げられました。これらの搭載機器によって、太陽表面やその上を竜(りゅう)のようにはい回るX線フレアの像が太陽物理学者たちによってつくられました。また、1991年8月に打ち上げられた同研究所の科学衛星ようこうには軟X線と硬X線の両波長の望遠鏡が搭載され、太陽フレアの高精密度観測がおこなわれました。
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