宇宙空間物理学
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宇宙空間物理学(うちゅうくうかんぶつりがく、英語: space physics[1]、solar terrestrial physics[2])とは、宇宙空間(とくに地球近傍の宇宙空間)における様々な物理現象を研究する学問分野であり、電離圏(熱圏)、磁気圏、そして惑星間空間(磁気圏外の太陽風が流れる領域)などを研究対象とする。太陽地球系物理学(solar-terrestrial physics、STP)ともいう[3]。超高層大気物理学(physics of the upper atmosphere)ともいう[4]が、その場合は、磁気圏よりも電離圏を主な研究対象としている学者に使われる傾向が強い[要出典]。イギリスの物理学者シドニー・チャップマンは aeronomy と呼んだ[5]。
元来は、地球電磁気学の一分野というべき分野であり、磁気嵐などの地磁気現象、デリンジャー現象などの電離圏擾乱、オーロラ現象などを扱っていた。しかし、人工衛星によって宇宙空間が直接観測されるようになって以降、天文学(特に太陽物理学)やプラズマ物理学とも密接に結びつき、地球科学の枠組みを超えて発展している。
脚注
- ^ 文部省、日本物理学会編『学術用語集 物理学編』培風館、1990年。ISBN 4-563-02195-4。
- ^ 大林辰蔵『宇宙空間物理学』裳華房〈物理科学選書〉、1970年 。
- ^ 東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 宇宙惑星科学講座. “東京大学太陽地球系物理学(STP)グループホームページ”. 2010年11月15日閲覧。
- ^ アスゲイル・ブレッケ 著、奥澤隆志・田口聡 訳「訳者あとがき」『超高層大気物理学』愛智出版、2003年。 ISBN 4-87256-304-2 。
- ^ Nagy, A. F. (2008). Comparative aeronomy. Space Sciences Series of ISSI. Springer. pp. 1-2. ISBN 9780387878249
関連項目
太陽物理学
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太陽磁場は、太陽大気中の突発的なエネルギー解放現象(例、フレア)のエネルギー源である。 太陽フレアによって放出された磁気エネルギーや、その発生過程を詳しく知るためには、 各太陽活動領域の3次元磁場構造を知る必要がある。 しかし、観測上の様々な困難(コロナ自体の光量の低さや、2次元CCD上のデータから3次元構造を推測する事の困難など)のため、観測から3次元磁場構造を得ることはできていない。 一方、上式を用いた、光球面からコロナ中への磁気ヘリシティ入射量の測定が、 太陽フレアの発生過程の理解に有力であると考えられている。 このため、太陽光球面の磁場データを解析して光球面上の速度場を得る研究が盛んに行われている。 また、光球面上の磁場と速度場が得られれば、ポインティングフラックスも同時に測定する事ができる。
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