太陽熱発電用蓄熱材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 16:06 UTC 版)
太陽熱発電は太陽光を多くの鏡で集光し、その焦点にある物質を温めその熱で発生させた水蒸気で蒸気タービンを回転させる発電方式である。この発電では昼間に太陽熱の一部を蓄熱する事で夜間も発電可能となる。この方式は太陽光、風力発電など出力が変動する発電と蓄電池を組み合わせて夜間に給電するシステムと比べ安価という利点があるため地中海沿岸諸国、アメリカ、オーストラリア、中国等で実用化を目指した開発がなされている。 この蓄熱材料として、単位重量当たりの比熱や融解潜熱が大きいアルカリ金属ハロゲン系やオキシ酸塩系の溶融塩が使用されている。 イタリアシチリア島のシラクサ近くで2010年7月に運用を開始したアルキメデス太陽熱発電所ではKNO3(40%)-NaNO3(60%)溶融塩1300トンを蓄熱材とし、290°Cの溶融塩を540°Cに昇温する時の顕熱として、80MWhthのエネルギーを蓄熱する。これは同発電所の7時間分の発電エネルギーに相当する。
※この「太陽熱発電用蓄熱材」の解説は、「溶融塩」の解説の一部です。
「太陽熱発電用蓄熱材」を含む「溶融塩」の記事については、「溶融塩」の概要を参照ください。
- 太陽熱発電用蓄熱材のページへのリンク