太陽熱発電用熱媒体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 16:06 UTC 版)
太陽熱発電は 太陽光を多数の鏡で集光する、集熱システム 集熱された熱エネルギーを他の部分に伝える、熱伝達システム 熱エネルギーの蓄熱・および熱水蒸気を発生する、熱交換システム 熱エネルギーを回転エネルギーに変換する、タービンシステム 回転エネルギーを電気エネルギーに変換する、発電機システム で構成される。即ち、この発電方式は熱源が太陽エネルギーである事を除けば火力発電所と同じ汽力発電技術を使用している。この汽力発電の効率はカルノーサイクルで規定され、熱交換システムで発生する水蒸気温度が高いほど発電効率が高い事が知られている。 このため集熱システム、熱伝達システムは高温で動作する事が望ましい。多くの太陽熱発電所では熱伝達システムの熱媒体として有機オイル(有機熱媒体)が用いられているが使用可能温度が低い、引火点が低い等の課題があるため、より高温で使用でき不燃性の熱媒体が望まれている。溶融塩は高温で低蒸気圧かつ不燃または難燃性であり、さらに低密度、低粘性率のため液体を駆動するエネルギーも少なくてすむと言う特性から、太陽熱発電の熱媒体に用いられる。スペインのAndasol太陽熱発電所ではKNO3(40%)-NaNO3(60%)溶融塩をこの目的に使用している。溶融塩を使用する蓄熱技術は、現在の大規模エネルギー貯蓄システムにおいて一番費用が低く、化石燃料や天然ガスおよび原子力発電のコストと同等とされる。
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