デリンジャー‐げんしょう〔‐ゲンシヤウ〕【デリンジャー現象】
デリンジャー現象
【英】Dellinger phenomena
デリンジャー現象とは、太陽から放出される紫外線が突発的に増大して、電離層のD層、E層の電子密度が極端に高まり、地表の短波の伝搬が途絶えてしまう現象のことである。1935年にアメリカのデリンジャーによって発表された。
デリンジャー現象は、太陽面の爆発(フレア)によってX線紫外線が急増する現象が原因となっている。短波通信は電離層D層の上方に位置しているF層で発生する電波の反射を利用しているため、デリンジャー現象によってD層の密度が増すと、F層にいたる前で電波が吸収され、伝搬できなくなってしまう。そのため放送そのものが途絶えることになる。
デリンジャー現象は昼間の数分から数10分間に発生する。周波数の高い電波を使用することによって、デリンジャー現象の影響を抑えることが可能である。
デリンジャー現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 01:22 UTC 版)
デリンジャー現象(デリンジャーげんしょう、Dellinger Effect)とは電離層に何らかの理由で異常が発生することにより起こる通信障害である。短波障害(SWF:Short Wave Fadeout)または突発性電離層擾乱(SID:Sudden Ionospherric Disturbance)、デリンジャー効果(Dellinger Effect)とも呼ばれる。
デリンジャー現象の名前は、1935年にこれを発表したアメリカの通信技師、ジョン・ハワード・デリンジャーに由来する。この実績などにより、デリンジャーは1938年にIEEE栄誉賞を受賞した。しかし実は、この5年前の1930年にドイツのハンス・メーゲル(Hans Mögel)が先に発見していた。このため、ドイツではMögel-Dellinger-Effekt(メーゲル=デリンジャー効果)と呼ばれている。
概説
多くの場合、持続時間は数十分から数時間の程度であるがまれに数時間以上も続く場合もある。多くは太陽フレアが原因である。太陽フレアが発生すると太陽で発生するX線や紫外線が急増し、それらが電離層に到達することで電離層のD層の電子密度が増加する。
通常の場合、短波(3 - 30 MHz)はD層を通過しF層で反射されるがこの現象が発生すると電子密度が増大したD層で短波が吸収されるようになり、長距離通信が不能となってしまう。短波よりも高い周波数の電波や中波などには影響は少ない。
出典
- 平山操「デリンジャー現象と地球磁場に就いて」『氣象集誌. 第2輯』第16巻第11号、421-430頁、1938年。doi:10.2151/jmsj1923.16.11_421 。
- 仲上稔; 宮憲一; 志水健次「デリンジャー現象出現時に於ける短波異常減衰の周波數特性」『電氣學會雜誌』第57巻第585号、333頁、1937年。doi:10.11526/ieejjournal1888.57.333 。
外部リンク
デリンジャー現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 09:27 UTC 版)
太陽フレアが起きると、電離層の電子密度は通常よりも高くなる。この状態では地上からの電波は電離層に反射されずに吸収され、短波を用いた長距離通信に障害をもたらすことがある。これをデリンジャー現象と呼ぶ。 詳細は「デリンジャー現象」を参照
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