でんり‐けん【電離圏】
読み方:でんりけん
⇒電離層
電離圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 17:16 UTC 版)
カリストの電離圏はガリレオのフライバイの際に初めて検出された。検出された電子密度は (7-17)×104 cm-3 であり、これは大気中の二酸化炭素の光電離だけでは説明ができない値であった。そのため、カリストの大気は酸素分子が主要な成分であり、二酸化炭素の 10〜100 倍程度の酸素分子が存在するのではないかと疑われた時期もあった。しかし酸素はカリストの大気中からはまだ直接検出されていない。ハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測では、酸素が検出されなかったことから大気中の酸素濃度に上限値が与えられた。この上限値は電離圏の測定結果と矛盾しないものである。この時同時に、ハッブル宇宙望遠鏡はカリスト表面にとらわれている凝縮した酸素を検出している。 2001年のハッブル宇宙望遠鏡の観測データの最近の解析から、カリストの大気中に水素原子も検出されている。2001年12月15日と24日に撮影された分光観測の画像が再解析され、水素コロナの存在を示唆するかすかな散乱光の存在が明らかになった。カリストの水素コロナにおける太陽光の散乱光の明るさは、先行半球を観測している際はおよそ2倍明るくなった。しかしこの先行半球と後行半球での明るさの違いは、地球の周囲にある地球コロナによる減光によって引き起こされている可能性が高いとされている。
※この「電離圏」の解説は、「カリスト (衛星)」の解説の一部です。
「電離圏」を含む「カリスト (衛星)」の記事については、「カリスト (衛星)」の概要を参照ください。
「電離圏」の例文・使い方・用例・文例
- 電離圏のページへのリンク