天弓3型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 09:23 UTC 版)
「天弓 (台湾のミサイル)」の記事における「天弓3型」の解説
天弓3型(TK-3、Sky Bow III)は、第三世代のミサイルシステムである,研究開発コード:「層系計画」。 台湾は当初、アメリカとのミサイル防衛迎撃ミサイルの共同開発を模索し、提案さえしていた。台湾当局者は、特にアクティブレーダーKa-バンドシーカーと精密姿勢制御に関連するものなど、HTK(Hit-to-Kill)技術の移転を含む、台湾独自の対戦術弾道ミサイル(ATBM)へのアメリカの技術支援を求めた。CSIST は、Ka-バンド・アクティブレーダーシーカー技術に関連した進行波管(TWT)送信機の公開を求めていたと報告されている。しかし、米国が改ざん防止機能のない完全なKa-バンド・アクティブレーダーシーカーの輸出許可を拒否したことや、 TWTを単体で提供することを拒否したため、CSISTは、欧州の内容を少しだけ含んだ別の(関連する議論については後述の)アクティブレーダーシーカー技術を使用せざるを得なくなった。 TK-3(旧称:TK-2 ATBM)は、TK-2 ミサイルをベースに、Ku-バンド(12-18GHz)アクティブレーダーシーカー、指向性破片弾、戦術弾道ミサイルなどの高速・低レーダー断面積(RCS)目標を捕捉するため改良した精度制御を採用した低価格のミサイル防衛システムとして構想された。オリジナルのTK-1/2システムよりも機動性を考慮して設計され、統合された戦闘管理システムを備え、アップグレードされた長白フェーズドアレイレーダーを使用するか、または移動式3次元(3D)防空火器管制フェーズドアレイレーダー(Mobile 3D ADFCPAR)と報告されている新たな移動式フェーズドアレイレーダーを使用している。 長山レーダーシステムと報告される新たな移動式レーダーは、パトリオットのレイセオン・AN/MPQ-65と同様にCバンド(4-8GHz)の周波数帯で動作するとされており、AN/MPQ-65と同様に、ほぼ同サイズの長方形の平面アレイレーダーをトレーラーに搭載している。しかし、AN/MPQ-65システムのメインアレイの下にあるような識別可能なミサイル誘導サブアレイはないようで、この新レーダーがTK-1 SARHミサイルに対応した標的誘導照明機能を提供できるかどうかは不明である。しかし、TK-2ミサイル(X-バンド)とTK-3ミサイル(Ku-バンド)では標的誘導照明を必要としないため、新レーダーにはアクティブレーダーシーカーとしての利用に問題はないと思われる。本レーダーは、TK-2/3ミサイルシステムの生存性と運用の柔軟性を向上させ、これまで準備ができていなかった場所にTK地対空ミサイル発射機を迅速に展開することが可能になる。TK-3は、高度なセラミックと炭素繊維を採用しており、ミサイルのノーズコーンは1,000℃を超える温度に耐えることができる。TK-3は、弾道ミサイルに対する中間誘導・終末防衛の両方の能力を持っている。 2015年から2017年にわたるTK-3 SAMシステムの生産は、MIM-23ホークミサイルの台湾の在庫分を置き換えるだろう。以前、アメリカは台湾にホークのアップグレード、NASAMSシステムの購入、およびホークの後継としてTHAADミサイルシステムの購入という選択肢を与えていた。国防部は最終的に、需要を満たす国産の兵器開発の追求を決定した。 2019年、台湾の蔡英文総統は、中国の軍事力と好戦的な姿勢の高まりを受け、NCSISTにTK-3の大量生産を加速するよう命じた。
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