大洋航海の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 04:21 UTC 版)
先史時代には人類は大洋に漕ぎ出していた。アフリカを起点とする人類の大移動は、ポリネシア人による粗末なカヌー等を用いた太平洋諸島やニュージーランドまで達していた。世界を包括する地理観を確立した古代ギリシアでは、地球は平面で、彼らが認識可能なヨーロッパ・西アジア・北アフリカの3大陸と地中海が世界であり、その外側はオケアノスという境界不明な塩水の大河で取り囲まれていると考えていた。ただし地球を球体と考える学者たちも存在し、プトレマイオスは天文学書『アルマゲスト』に緯度と経度が表記された曲面の地図を作成した。この地図の中では、インド洋は内海として書かれている。 中世までに、航海術の発展に伴う海上交易が行われるようになり、その主役はアラビア人たちが担った。また、陸路元へ到達したマルコ・ポーロの帰路や明の鄭和も大航海を行ったが、これらは沿岸部に沿うものだった。大航海時代初期にエンリケ航海王子が指導したアフリカ航路と、バルトロメウ・ディアスが喜望峰を発見しインド洋が外洋であることを知らしめた航海も、この例に漏れなかった。 1492年に出発したクリストファー・コロンブスの航海と同様に、ヨーロッパから西へ漕ぎ出そうという試みは以前からあった。しかしそれらはヴァイキング遠征の一環であったり、伝説の地を目指すなどあやふやなもので、偏西風やガルフストリームにことごとく阻まれていた。コロンブスが画期的だった点は、結果的に小さく見積もっていたが地球の大きさを推測し、またジパングという明確な目標を定める高い計画性に裏打ちされた点である。彼は大西洋を真西に進むため、いったんカナリア諸島まで南下する航路を取り、結果的に貿易風に乗ったことで大西洋横断に成功した。以後、16世紀前半にはフェルディナンド・マゼラン一行が世界一周を果たし、人類が大洋を盛んに渡る時代が到来した。
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