外国貿易コンテナ
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2007年(平成19年)3月30日に第1便が就航した大船渡港と韓国・釜山港を結ぶ外国貿易定期コンテナ航路の取り扱い実績がまとまった。同年4月 - 9月までの半年で、輸出入合わせて1309TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個)。取扱量は増加傾向が続いており、9月は1週あたりの平均取扱量が約90TEUと、港湾関係者が目標として挙げる「1週100TEU」に近づいている。輸出主体で冷凍水産物の割合が多いなど、全国の地方港には無い大船渡港の特徴が明らかになっている。 今年度上半期の貨物取り扱い状況は、大船渡市が同年10月12日に開いた記者会見で明らかにした。4月から9月までのコンテナ取扱量は1309TEU。この期間は、週1便ペースで23回寄港した。このうち、実際に荷物が入っている実入りコンテナは785TEU。同市によると、取扱総数は空コンテナを含めた実績を示すのが一般的だと言う。一便平均の取扱量は57TEU。1ヶ月ごとの推移で見ると、4月は21TEUであったが、その後、5ヶ月連続で前月を上回る実績が続き、9月は448TEU(5便)と一週平均で90TEUとなった。 大船渡市、経済界が目標とする初年度のコンテナ取り扱い個数は4757TEUで、1便平均で100TEUが必要。県内外の民間企業を中心としたポートセールスを担う関係者も「今秋までに100TEU」を掲げるが、3桁となる取り引きも8月に1回、9月に2回あるなど、目標としている数値に近づいている。 輸入は648TEUで、輸入は661TEUとほぼ同数。ただし、輸入のうち空コンテナは約半数を占めるため、実入りでの実績を見ると輸出のほうが多い。輸出が輸入を上回るのは国内地方港でも珍しいケースである。 輸出の4分の3が水産物を占める。冷凍水産物は温度管理ができるリーファーコンテナによって運ばれる。大船渡や気仙沼など三陸沿岸で水揚げされたサバやカツオといった冷凍水産魚が主体で、釜山を経由後、中国やタイに輸送される。これまで仙台や京浜地区の港を利用していた荷主が大船渡を選ぶケースが多く見られるようになった。ドライコンテナによる輸出は紙類やプラスチック類が多い。 一方、輸入は県内陸部からの工業機械部品の利用が本格化している。季節にちなんだ商品需要などから雑貨類も増加しているとのことである。定期航路を開設しているのは韓国の大手船社の興亜海運で、小名浜、仙台塩釜港を経て毎週末に大船渡港に寄港。コンテナターミナルは岩手県内最大水深の-13m岸壁が供用している野々田埠頭に県が整備し、荷役クレーンは大船渡市内の経済界が中心となって立ち上げた「大船渡国際港湾ターミナル協同組合」が設置した。 今後の冷凍水産物増加に対応できるよう、リーファーコンテナ用の電源設備といった港湾機能の充実、ドライコンテナの取引拡大、荷主へのサービス向上などが求められている。甘竹勝郎大船渡市長は「水産品輸出が当初の予想よりも多く推移している。全国的にも注目され、航路開設によって大船渡に事務所を設置した企業もあると聞く。1日も早く目標の数値まで持っていきたい。」とコメントした。
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