外国資本に対する評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:59 UTC 版)
西田は、東洋経済新潮社に在籍中の1998年に出版された「人民元・日本浸食」において、外国資本による日本買収への警鐘を鳴らした。西田は「アジア」をその語源である「古代アッシリア語の「アッスー」あるいは古代アッカド語の@アス」(中略)いずれにしても「太陽が昇る大地」」に例えて、「未曾有の混乱をすぎ、新しい「黎明」にむけ時を稼ぐ」と表現した。しかしそのアジアの中で、日本を「日本の金融機関による海外投資は、いつもその絶好のタイミングを逃している」と評し「反対に欧米や華僑マネーは逃げ足は速い」としている。日本がチャンスを逃す理由を、西田は、独立系外国人投資家の言葉として「稟議書を書いている間に、投資のタイミングを失っている」を紹介し、日本の組織体制の柔軟さのなさが、利益損失の原因だと指摘した。さらに、日本の成長鈍化の理由は「愚民教育」として、アメリカは「世界中から人材を集め、かつ育てている」と評価したうえで、日本に対しては「日本の繁栄を支えてきた「愚民教育」は、お上まかせの無責任な国民を大量に生み出してしまった」と批判している。西田は、日本の構造的な問題(官僚支配など)を指摘した上で、中国(特に華僑)に対しては、アジアとの関係は「50年代から60年代にかけてはやや疎遠であった」とした上で、「70年代に入ると、中国は米国との関係改善へ動き、と同時に国連に加入」し、「さらに80年代になって中国は対外開放政策を本格化させるにしたがって、かつてのイデオロギーによる対立はほとんどなくなっていった」としている。また中国の国籍法改正により二重国籍がみとめられなくなったことで、華僑の現地帰化が進んだと指摘した。西田は華僑を「華僑マネーほどリスクに敏感なものはない」と評し「東南アジア各国」で「主要な流通や金融機関を牛耳」っているとしているが、一方で「しばしば起こる暴動のターゲットは富裕な華僑層」ともしている。これらの経験から「安全装置」として表に出ない投資がすすめられ「今や東南アジアの株式市場に注ぎ込まれる資金の半分以上は華僑マネーであるとさえいわれている」としている。本著では華僑の投資手法を紹介した上で、アーノルド・トインビーの言葉である「歴史からの挑戦に対してどう応戦するか。ここに一国の興亡はかかっている」を紹介したうえで、日本を「応戦どころか、目下の課題を避けて通る「延命策」に終始」と批判したうえで、中国を「構造改革に「応戦」する中国」と評した。さらに「「まさか中国に呑み込まれるなんてーこれが多くの日本人に共通する本音」であるが「歴史からの挑戦にまじめに「応戦」しおなければ、「まさか」は眼前の現実となる」と結んでいる
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