各国のデビルド・エッグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:44 UTC 版)
「デビルド・エッグ」の記事における「各国のデビルド・エッグ」の解説
アメリカでは、デビルド・エッグは一般的な料理で、集会やパーティーの際にオードブルや前菜として出されることが多い。ゆで卵を冷まし、殻を剥いてから半分に切る。黄身を取り出し、マヨネーズ、マスタード、ビネガー、ピクルス、香辛料、ハーブなどの材料と混ぜ合わせる。これを滑らかなペースト状にして、白身の中に詰める。冷やして食べるのが一般的で、パプリカをまぶして食べることが多い。デビルド・エッグは、1920年代のアメリカで人気のある料理だった。1923年、ワンダ・バートンは新聞のコラム「ホームメイキング・ヘルプ」で、「ゆで卵やデビルド・エッグを運ぶのに適している」という理由で、卵のパックを取っておくことを提案していた。1940年代までに、デビルド・エッグはアメリカのピクニックやパーティー、集会での定番料理になっていた。2019年にマコーミック社が実施したアンケート調査によると、同年のイースターにデビルド・エッグを作るもしくは食べることを予定しているアメリカ人は約61%だった。 ヨーロッパの多くの国、特にベルギー、フランス、オランダ、ドイツでは、「ロシアの卵」を意味する言葉で呼ばれ、少し違うバージョンのものが提供されている。これは、卵を半分に切って、野菜のマチェドニア(マセドワーヌ)を添え、マヨネーズ、パセリ、トマトをあしらったものである。 フランスでは"œuf mimosa"(ミモザの卵)と呼ばれ、ミモザ(フサアカシア)の外観から命名されている。ハンガリーでは"töltött tojás"(詰め物をした卵)または"kaszinótojás"(カジノの卵)という。ルーマニアでは"ouă umplute"、ポーランドでは"jajka faszerowane"、オランダでは"gevuld ei"、スウェーデンでは"fyllda ägg"、マルタ島では"bajd mimli"といい、いずれも「詰め物をした卵」の意味である。南米の一部では"huevos a la peruana"(ペルーの卵)と呼ばれている。 スウェーデンでは、デビルド・エッグ(Fyllda Ägghalvor)は、イースターのスモーガスボードの伝統的な料理で、黄身を魚卵、クリームまたはサワークリーム、刻んだ赤たまねぎと混ぜ合わせ、刻んだチャイブまたはディルで飾り、アンチョビまたはニシンのピクルス(英語版)を添える。フランス料理では、その他の材料としてコショウとパセリが使われることが多い。ハンガリー料理では、黄身をすりつぶして、牛乳に浸した白パン、マスタード、パセリと混ぜ合わせ、マヨネーズを添えて前菜として、あるいはハンガリー産サワークリームをトッピングしてオーブンで焼き、フレンチフライを添えてメインディッシュとして出されることが多い。ドイツ料理においてよく使われる黄身の味付けは、アンチョビ、チーズ、ケッパーである。
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