厚生省・厚生労働省
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:31 UTC 版)
厚生省・厚生労働省は、喫煙について「法的に認められた合法的嗜好である」と見解を示しており、成人個々人の喫煙について容認している。 昭和39年(1964年)は、厚生省による喫煙対策の最初期であり、厚生省「喫煙と肺がんに関する会議」、厚生省児童局長による知事・指定都市市長宛て通達「児童の喫煙禁止に関する啓発指導の強化について」、厚生省公衆衛生局長による知事・指定都市市長宛て通達「喫煙の健康におよぼす害について」(たばこと肺ガンの関係に関するもの)がなされた。 昭和62年(1987年)、厚生省公衆衛生審議会により「喫煙と健康問題に関する報告書」が作成され、斎藤十朗厚生大臣に意見が具申(詳細な申し述べ)された。通称「たばこ白書」という。この報告書により国は喫煙と受動喫煙の有害性を明らかにした。報告書は平成5年(1993年)に改正され、平成14年(2002年)の改正では「喫煙と健康問題に関する検討会報告書」となった。これらは『喫煙と健康 喫煙と健康問題に関する報告書』、『新版 喫煙と健康 喫煙と健康問題に関する検討会報告書』として市販された。 厚生省は、平成12年(2000年)、「健康日本21」(21世紀における国民健康づくり運動)を策定し、未成年の喫煙防止、受動喫煙防止、禁煙支援などの対策が盛り込まれ、各地方自治体に通達された。 健康日本21に続いて、平成25年度(2013年度)からは次期「国民健康づくり運動プラン」(次期「健康日本21」)が準備され、厚生労働省の専門委員会は、成人喫煙率低下、妊婦の喫煙率0%、受動喫煙機会を行政機関・医療機関・職場で0%、等を目標とした素案を作成している。 また、がん対策基本法に基づき、平成19年(2007年)に「がん対策推進基本計画」を策定して、がん予防のため喫煙の健康影響の普及啓発、受動喫煙対策、禁煙支援などを施策とし、次期「がん対策推進基本計画」は次期「国民健康づくり運動プラン」同様、喫煙率低減の目標値を設定している。 嫌煙家として有名な小宮山洋子が厚生労働大臣に就任した際には、突如「たばこ税の増税」を記者会見で発言したため、財務大臣安住淳が「厚労省の越権行為で、たばこ所管は財務省である」と、不快感を露わにし、野田内閣の閣内不一致が露呈した。 厚生労働省は2014年(平成26年)6月25日に、労働安全衛生法の改正法が公布され、事業主は従業員の受動喫煙防止の『努力義務』(罰則規定無し)が課されることになったが、完全義務化は自民党の反対により断念された。この改正法は、2015年(平成27年)6月1日から施行された。 2017年(平成29年)には、飲食店での原則禁煙や違反して喫煙した者への30万円以下の過料などを盛り込んだ健康増進法改正案を国会に提出する見込みである。
※この「厚生省・厚生労働省」の解説は、「日本の喫煙」の解説の一部です。
「厚生省・厚生労働省」を含む「日本の喫煙」の記事については、「日本の喫煙」の概要を参照ください。
- 厚生省厚生労働省のページへのリンク