厚生省旧庁舎ビル燃焼実験とは? わかりやすく解説

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厚生省旧庁舎ビル燃焼実験

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)

千日デパート火災」の記事における「厚生省旧庁舎ビル燃焼実験」の解説

1973年昭和48年5月9日東京霞ヶ関空きビルとなった厚生省・旧第一別館5階建て)」を使って千日デパートビル火災燃焼状況調査するための実物火災実験が行われた。実施したのは建設省建築研究所自治省消防研究所通産省製品科学研究所で、実験午前6時40分から開始された。本件火災の完全再現実験ということ東京消防庁から6台の消防車両出場し警戒あたった。同館2階フロア一部分225平方メートル)に千日デパート火災3階出火当時と同じ量に相当する合計4トン可燃物化繊2トン木材2トン)を設置しアルコール撒いて点火した実験時間経過結果以下のとおりであった点火30秒化繊衣類燃え上がり2階フロア天井黒煙立ち込めた。 1分30秒赤黒い炎がフロア全体覆い、窓から黒煙出始めた。 3分40秒後 破裂音とともに窓ガラス飛び散り、炎が窓外噴き出した2階天井全体に炎が走りフラッシュオーバー現象確認された。 14分後 黒煙急激に増え階段伝って上階流れ始めると同時に最上階5階充満した5階には「ハツカネズミ30匹を置いていたが、煙の流入により激しく暴れて苦しがる様子計測装置記録された。 33分後 1階階段入り口から大型送風機使い毎分1,000立方メートル強制送風開始したところ、階段部分の煙は薄らいだが、2階出火階はバックドラフト現象起こして激しい炎に包まれ室内温度摂氏1,200度に達した上階の煙はより一層濃くなり黒煙視界が利かなくなった5階ハツカネズミ3分の1が動かなくなった60分後 2階火勢衰えず窓枠損傷して落下した5階一酸化炭素濃度は1立方メートルあたり0.07パーセント酸素濃度10パーセントを切り、人間が同階で生存不可能な状態に達した87分後に建物裏側中庭)で輻射熱により隣の建物延焼し始めたため消火作業開始された。火災実験はそこで打ち切りとなった。この実験各階における煙の流動性一酸化炭素濃度強制送風による避難路確保可能性などについて計測し今後ビル火災対策上の貴重なデータ得た。特に火災延焼速さには専門家から驚きの声が上がった。また煙をビル内から排出する目的強制送風行った実験点火33分後)では、本件火災と全く同じ状況再現されたことから、外部から大量空気ビル内に入れることは火勢と煙を増やすことに繋がるので危険性が高いとされた。

※この「厚生省旧庁舎ビル燃焼実験」の解説は、「千日デパート火災」の解説の一部です。
「厚生省旧庁舎ビル燃焼実験」を含む「千日デパート火災」の記事については、「千日デパート火災」の概要を参照ください。

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