厚生経済学との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 03:04 UTC 版)
功利主義においては、異なる個人間で効用を比較したり足し合わせることも可能であるとする、効用の基数性に基づく限界効用逓減の法則が前提された上、社会における全ての人々の効用の合計の最大化をはかるための所得再分配が肯定される。 ピグーの「厚生経済学」では、所得再配分はそれが経済全体のアウトプットを減少させないかぎり、一般に経済的厚生を増大させるものである(「ピグーの第2命題」)とした上、限界効用逓減の法則を前提するかぎり、所得再配分は貧者のより強い欲望を満たすことができるため、欲望充足の総計を増大させることは明らかであるとしている。 これに対し、新厚生経済学では、ロビンズの「経済学の本質と意義」では、内省によっては他人の内心を測定できない以上、異なった人の満足を比較する方法がないとして効用の可測性(基数性)が否定された上、ピグーの第2命題は、単なる倫理的な仮定にすぎないとしている。
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