医師の転職とは? わかりやすく解説

医師の転職

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 04:58 UTC 版)

医師」の記事における「医師の転職」の解説

これまで多く医師は、「医局」という組織管理されていた。これは大学の「教室職員室)」とほぼ同義であり、各診療科目教室運営する非公式な医師同業者組織である。医局教授頂点とし、定期的に任命される医局長によって日常的な事務運営なされる学費として「医局費」が徴収されることもある。 従来方式では、医師卒業と同時いずれか医局に「入局」していた。医局医師研修先・勤務先指定し医師はそれに従って転勤する医局医師を必要としている病院情報集中管理し、必要とされている医師技能経験年数合わせて医師派遣する医師派遣先で経験重ね技能身につけると、派遣先の病院医師に対して昇給をするか、賃金の安い医師交代させるかしなければならない。そのため、数年おきに医局医師転属させ、新たに若い医師派遣する。この繰り返しによって病院側は人件費一定維持し経営安定化を図ることができる。医師自分技能レベル合った就職先研鑽を積むことが出来る。また、高度な技術取得することが可能な病院派遣してもらった場合、「お礼奉公」と称して、しばらく低賃金過疎地診療所派遣される慣習もあり、これによって地方医師不足埋め合わせていた側面があった。多く場合医師派遣を受ける病院大学教授に研究費などを提供し教授研究業績寄与していた。こういう病院医局の「関連病院」と呼ばれる研究費が集まる有名教授の下にはさらに入局者が集まり教授権威高め好循環生む仕組みであった派遣受けた医師は、国立病院転属すれば「国家公務員」、公立病院転属すれば「地方公務員」、私立病院転属すれば「サラリーマン」大学戻り研究生”“大学院生”などの名目無給労働力として使役される期間は「学生」と、転属先により身分変遷する。また日雇い契約雇われる場合は「フリーター」「非正規雇用」、僻地診療所一人医長任命された期間は「管理職」と雇用階級変遷し数年おきに転属する。こういう身分変遷は不安定退職金福利厚生ほとんどない最近では、医療費削減に伴い病院経営状態悪化し多く医師が「非正規雇用」か「管理職」のいずれか身分で働くようになり、時間外手当ボーナスもなく、不当に長い労働時間強いられている。 従来医局指示により、転職するのが一般的であった。しかし2004年から初期臨床研修義務化(スーパーローテート)に伴い医局入局する医師減少し新たに医師派遣行ったり、医師人材紹介転職斡旋する会社出てきている。これらの医療従事者専門転職支援サービスは、医局から医師派遣断られ病院医師確保などにも一定の役割果たしている。このビジネス分野未開拓で、さまざまな会社がしのぎを削っている。 医師といえど一人人間である事実にかわりはなく、QOML (Quality of My Life) を大切にするべきという考え広がりつつあり、医師過酷な勤務要求する勤務先から独自の判断転職するケース増えている。

※この「医師の転職」の解説は、「医師」の解説の一部です。
「医師の転職」を含む「医師」の記事については、「医師」の概要を参照ください。

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