北海道目梨泊遺跡出土品とは何？わかりやすく解説 Weblio辞書

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北海道目梨泊遺跡出土品

主名称：	北海道目梨泊遺跡出土品
指定番号：	531
枝番：	00
指定年月日：	2000.06.27(平成12.06.27)
国宝重文区分：	重要文化財
部門・種別：	考古資料
ト書：
員数：	一括
時代区分：	オホーツク文化期
年代：
検索年代：
解説文：	本件は、北海道目梨泊遺跡から出土したオホーツク文化期（奈良－平安時代を中心とする）の一括資料である。　遺跡は、北海道枝幸郡枝幸町に所在し、目前にオホーツク海を望む標高二〇メートルの海岸段丘上に存在する。この海岸段丘は背後の丘陵からオホーツク海に注ぐ小規模な河川によって開析された舌状台地となっており、先端部は急峻な斜面となって砂と岩礁からなる海浜地にいたる。　本遺跡の調査は、国道二三八号線改良工事に伴う事前調査として平成二、三、四年の三回にわたって実施された。三回に及ぶ発掘調査の総面積は八三〇〇平方メートルであった。　調査の結果、目梨泊遺跡は東西五〇メートル、南北三五〇メートルの規模の遺跡であることが判明した。発見された遺構は縄文時代早期からオホーツク文化期までの時期にわたるが、その中心はオホーツク文化期の遺構であった。この時期の遺構は竪穴住居六軒、土坑四一八基、墓四六基、焼土跡五か所であった。　出土品の総点数は約二三万点で、本件はそのうち本遺跡の中心時期であるオホーツク文化期を代表する遺物三一九点を指定するものである。金属製品四〇点のうち、青銅製帯金具はアムール川流域に由来するものと、本州地域から搬入された二者が存する。銀製品二点は耳飾で大陸由来のものである。鉄製品は六点の蕨手刀が注目され、すべて墓の副葬品であった。これらの蕨手刀は、全国的な蕨手刀の資料集成から東北地方北半で製作されたものと考えられる。玉類は軟玉製の環飾と琥珀、ガラス、土などさまざまな素材の小玉があり、各地から搬入されたり、当地で製作されていた様相が推察される。土器は、細い粘土紐を土器表面に貼り付けて装飾文様とする「ソーメン文」土器が特徴で、オホーツク文化期後半ころの所産と考えられる。土製品ではクマの頭部・立像・座像があり、この地域のクマを表現する作品として卓越したものである。　以上のように、本遺跡出土品は大陸由来品、本州地域からの搬入品、在地生産品の各々に分けられる。そして、その各々がオホーツク文化の内容、交易の実態を知るうえで貴重であり、その学術的価値は高い。