北海道林木育種場旧庁舎とは? わかりやすく解説

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北海道林木育種場旧庁舎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/28 10:05 UTC 版)

北海道林木育種場旧庁舎
情報
旧名称
  • 内務省林業試験場北海道支場
  • 林野庁北海道林木育種場
旧用途 林業研究施設
建築面積 774 m² [1]
階数 地上2階
駐車台数 11台
所在地 北海道江別市文京台緑町561-1
座標 北緯43度4分42.8秒 東経141度31分13.2秒 / 北緯43.078556度 東経141.520333度 / 43.078556; 141.520333 (北海道林木育種場旧庁舎)座標: 北緯43度4分42.8秒 東経141度31分13.2秒 / 北緯43.078556度 東経141.520333度 / 43.078556; 141.520333 (北海道林木育種場旧庁舎)
文化財 登録有形文化財
指定・登録等日 2001年平成13年)8月28日
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北海道林木育種場旧庁舎(ほっかいどうりんぼくいくしゅじょうきゅうちょうしゃ)とは、北海道江別市文京台緑町に所在する建築物であり、登録有形文化財である[1]北海道庁林業試験場として建設される[1]。1階を煉瓦組積造、2階をハーフティンバー木造とし、外装モルタル洗出とする[1]小屋組はクイーンポストトラス風[1]。市の高台に位置し、地域のランドマークとして親しまれている[1]

1927年昭和2年)に場所に建設され、1996年平成8年)まで林木育種センター 北海道育種場庁舎として使用されていた[2]2001年(平成13年)にの登録有形文化財に登録[3]

2020年令和2年)に保存・活用事業者公募を行い、株式会社珈房サッポロ珈琲館が活用することとなった[2]2021年(令和3年)4月から外壁内装などの改修工事を行い、2022年(令和4年)4月に同社の本社事務所が移転、5月11日に直営のカフェがオープンした[3]

外観

外観は、大正昭和初期に流行したハーフティンバー様式を基調とした洋風庁舎建築である[2]。内部は、林業試験場庁舎として建築されたことから、木製ドア・腰壁・木製窓枠などに加え、天井階段手すりなどが見られる。1935年(昭和10年)頃の戦時体制により、建築資材の質が低下する前の建物であり、当時の社会情勢を感じることができる貴重なものと言われている[2]

歴史

1927年(昭和2年)11月に、内務省林業試験場北海道支場庁舎として、工事費約13万5千円をかけ8か月間で建築され、北方林業研究の中心的な役割を担った[2]1936年(昭和11年)10月の北海道陸軍特別大演習時に、昭和天皇が林業試験場を訪れ、庁舎の2階に設置された御座所で、石原供三場長の上奏を受けた後、秩父三笠宮両殿下とともに、試験林を散策した[2]。また、この時期に近代試験場として人員や施設が整備され、研究分野も森林土壌や人工造林、林産製造など充実していった[2]

戦後組織改正により、1947年(昭和22年)に農林省林業試験場札幌支場となったが、1953年(昭和28年)に札幌市に移転した[2]。敷地内に同年設けられた野幌試験地は、トドマツエゾマツなどの人工林の研究が行われたが、1972年(昭和47年)に試験地も廃止された[2]。本庁舎は、1957年(昭和32年)に創設された北海道林木育種場の庁舎となり、優良品種の開発、樹木遺伝子研究技術を用いた実験事業などは、隣接地に移転した現在も行われている[2]1996年(平成8年)に北海道育種場の移転により、庁舎としての利用を終えた[2]

2001年(平成13年)には、歴史的価値が高い建物として、国の登録有形文化財に登録され、2002年(平成14年)に、江別市が「長年市民に親しまれた後世に残すべき歴史的建築物」として、国から購入し、2020年(令和2年)に保存・活用事業者の公募を行い、4事業者が応募した[2]。選定委員会の選考を経て、株式会社珈房サッポロ珈琲館が保存・活用事業者に決定し、2021年(令和3年)に外壁や内装などの改修工事を行い、2022年(令和4年)4月に同社の本社事務所が移転、5月11日に直営のカフェがオープンした[3]

沿革

(この節の出典:[2]

  • 1908年明治41年)06月:札幌郡江別村字志文別(現西野幌)に「内務省所管林業試験場」創設。
  • 1927年昭和02年)11月:「内務省林業試験場北海道支場」が江別村字志文別から現在地(文京台緑町)に移転。
  • 1933年(昭和08年)01月:「内務省北海道林業試験場」に名称変更。
  • 1936年(昭和11年)10月:陸軍特別大演習のため、野幌原始林内大沢に昭和天皇の行在所が置かれ、秩父三笠宮殿下と共に林業試験場に行幸。
  • 1947年(昭和22年)05月:林政統一により、帝室林野局の森林試験場と統合され、「農林省林業試験場札幌支場」に名称変更。
  • 1951年(昭和26年)07月:札幌に支場がおかれ、「農林省林業試験場野幌分室」に名称変更。
  • 1953年(昭和28年)10月:札幌支場に野幌の研究施設が移転し、全試験設備が統合。「林業試験場北海道支場野幌試験地」設置。
  • 1957年(昭和32年)04月:「林野庁北海道林木育種場」の庁舎となる。
  • 1969年(昭和44年)10月:野幌国有林の大部分が道立公園及び林野庁の自然休養林に指定。
  • 1972年(昭和47年)05月:「林業試験場北海道支場野幌試験地」を廃止。
  • 1991年平成03年)10月:組織再編により、「林木育種センター 北海道育種場」となる。
  • 1996年(平成08年)03月:「林木育種センター 北海道育種場」の新庁舎完成に伴い、庁舎としての利用を終える。
  • 2001年(平成13年)08月:文化庁・登録有形文化財として登録告示。
  • 2002年(平成14年)01月:国から土地・建物を購入。
  • 2021年令和03年)09月:株式会社珈房サッポロ珈琲館による使用開始。

脚注

  1. ^ a b c d e f 登録有形文化財(建造物) 北海道林木育種場旧庁舎”. 国指定文化財等データベース. 文化庁. 2024年7月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 登録有形文化財 北海道林木育種場旧庁舎の歴史”. 江別市教育委員会. 江別市. 2024年7月27日閲覧。
  3. ^ a b c 北海道林木育種場旧庁舎”. えべつコレクション. えべつ観光協会. 2024年7月27日閲覧。

関連項目

外部リンク



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