北海道湯の里4遺跡土壙出土品
主名称: | 北海道湯の里4遺跡土壙出土品 |
指定番号: | 470 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1991.06.21(平成3.06.21) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 旧石器 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 湯の里4遺跡は北海道上磯郡知内町にあり、知内川の支流である出石【いづし】川の右岸の段丘上に立地する。標高は三〇~三七メートルを測る。 昭和五十八年、津軽海峡線建設に先立つ発掘調査(調査面積約三九〇〇平方メートル)が行われ、その結果、本遺跡は旧石器時代から続縄文【ぞくじようもん】時代(弥生時代)にまでおよぶ遺跡であることが判明した。 本遺品はこのうち旧石器時代に所属する土壙から出土した一括遺物で、玉類五箇、石刃【せきじん】一箇、細石刃二箇、石刃核【せきじんかく】四箇、剥片【はくへん】二箇がその内容である。 本遺品を出土した土壙から採取した土壌の分析の結果、高等動物に特徴的な脂肪酸【しぼうさん】とコレステロールが認められ、本土壙は旧石器時代に所属する墓と考えられている。墓と考えられる遺構としては現在までのところ日本最古のものである。土壙内より出土した石製・琥珀【こはく】製の装飾品は日本で最も古い装飾品であり、墓への副葬品であるとすることができる。これらの石製品は国内では美利河1遺跡で類例が認められている。また、大陸側では石製・琥珀のビーズを副葬品として墓に入れる例がカムチャツカ半島でみられる。 湯の里4遺跡土壙出土品は、日本列島における墓制の起源を旧石器時代にまでさかのぼらせた点で重要である。しかし、それのみでなく北海道と大陸側の旧石器時代石器群の具体的な比較の手がかり、人や物資の交流・交易(玉類の原材であるダナイトはバイカル湖周辺の蛇紋岩【じやもんがん】地帯の原産と考えられている)、副葬品からうかがうことのできる習俗の実態を考えるうえでも貴重な学術資料といえよう。 |
考古資料: | 北海道有珠モシリ遺跡出土品 北海道有珠モシリ遺跡出土品 北海道江別太遺跡出土品 北海道湯の里4遺跡土壙出土品 北海道目梨泊遺跡出土品 北海道美々8遺跡出土品 北海道美利河1遺跡出土品 |
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