動輪の動き方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 06:54 UTC 版)
アニメでは999号が実際に動輪を動かすため、その動きにも作品ごとに特徴がある。 テレビ版では空転はせず、ドレン排出(シリンダー内に溜まった水および低温低圧の蒸気を捨てる)の後にゆっくりと起動する。ただし、末期などには下記2.のような描写が急発進のシーンなどで描かれることがあった。 劇場版第1作・第2作では、同様にドレン排出後に起動した後、一度空転して再粘着(出力を絞って空転を止めること)させる。 劇場版第3作および「銀河鉄道物語」ではいきなり空転し、そのまま引き出しを行いながら再粘着させる。劇場版はCG処理で描かれた。 実際のC62の動きとして正しいのは1.と思われる。C62は動力逆転器(加減リンクと向心棒を動かす為に逆転機ハンドルが逆転棒の先で圧縮空気で作動するアクチュエーターと繋がっており逆転機ハンドルでそれを制御することにより釣りリンク腕と釣りリンクを経由して向心棒を動かし加減リンクも動かす)を装備しているため、乗員は比較的楽に出力を制御できたからである。ただし毎週放映のテレビアニメという性質上、実際の映像はセル画枚数の抑制もあり、必ずしも上出来とはいえない。2.はC58形等の中型機で起こしやすい現象だったが、C62で無縁だったとはいえず、おかしくはない。また、劇場版ということで描写を細かく行っており、質はもっとも高いと言えよう。3.は、缶圧(蒸気、ひいては水と燃料)の無駄である上、動輪を傷める結果になるため絶対にやらない。 1.および2.の描写は、テレビ版および劇場版第1作・第2作の製作スタッフがかなりの年齢になるまで、現役で稼動している蒸気機関車を見て育っている世代であり、中型 - 大型の蒸気機関車の動きを知っていたからで、アニメ製作に当たっては製作スタッフが実際に梅小路蒸気機関車館に動態保存されているC62 2号機(通称「スワロー・エンゼル」)を取材したと言われる。それに対し3.の描写は、近年の作品のスタッフはほとんどが蒸気機関車を知らないか、知っていても小学校低学年程度までという世代であり、大型蒸気機関車の動きを知らなかったためだと考えられる。 999号はメーテル曰く「演出」としてC62形蒸気機関車の形状を模したものであり、実際には「高度な科学技術で作られた超近代化宇宙列車」なのであるから、必ずしも実際のC62同様に動く必要はないともいえる。とはいえ停車駅の構内では通常の駅同様に線路があり、緊急時など垂直に離着陸する場合を除き惑星内の軌道への進入時には動輪を使用している。宇宙空間の空間軌道上でも基本的に走行中は動輪も駆動しており、また空転で引き出しが出来ない描写もあった。TV版および劇場版第2作では急減速時に車輪から火花が散っている。原作ではトラブルに見舞われたとき、「シリンダーが動かない」「ピストンが動かせない」と機関車が悲鳴を上げる場面もあった。
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