動静脈奇形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/06 13:28 UTC 版)
動静脈奇形 | |
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別称 | AVM |
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脳の動静脈奇形の顕微鏡写真。HPS染色。 | |
概要 | |
診療科 | 脳神経外科 |
症状 | 無し、痛み、発作、脳卒中の症状[1] |
原因 | 不明[1] |
診断法 | 医用画像[1] |
鑑別 | 海綿状血管奇形, 毛細血管拡張症, 乳児血管腫, 毛細血管奇形, 動静脈瘻[2][1] |
合併症 | 出血、スチール症候群、心不全[2][1] |
治療 | 外科的切除、血管内塞栓術、定位放射線手術[2][1] |
分類および外部参照情報 |
動静脈奇形(どうじょうみゃくきけい、英: Arteriovenous malformation、AVM)は、毛細血管を通らずに動脈と静脈が異常につながっている状態のことである[2]。多くの場合は無症状であるが、時に痛みや発作、脳卒中の症状がみられる[1]。合併症には、出血(症例の約4%)、スチール症候群、心不全などがあげられる[2][1]。
動静脈奇形の種類には、脳動静脈奇形と脊髄動静脈奇形があるが、体のどの部分にでも発生する可能性がある[2][1]。ほとんどの場合、原因は不明である[1]。脳動静脈奇形の危険因子は、遺伝性出血性毛細血管拡張症などである[2]。診断は通常、医用画像によって確認される[1]。
AVMの治療には、外科的切除、血管内塞栓術、または、定位手術的照射が適用される[2][1]。50歳まで無症状の人は、発症する可能性は低い[1]。脳動静脈奇形の罹患率は、年間10万人あたり約1.3人の割合で新規発症している[2]。男女同等に罹患する[3]。死亡率は約1%である[1]。AVMが最初に説明されたのは1800年代半ばである[4]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “Arteriovenous Malformations” (英語). www.hopkinsmedicine.org. 2021年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i Zyck, S; Sampath, R (January 2020). “Arteriovenous Malformations”. StatPearls. PMID 30285374.
- ^ “Arteriovenous Malformation”. NORD (National Organization for Rare Disorders). 2021年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月27日閲覧。
- ^ Dieter, Robert S.; Jr, Raymond A. Dieter (2013) (英語). Endovascular Interventions: A Case-Based Approach. Springer Science & Business Media. p. 39. ISBN 978-1-4614-7312-1. オリジナルの2021-08-27時点におけるアーカイブ。 2021年2月27日閲覧。
外部リンク
動静脈奇形(Arteriovenous Malformation)
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「血管奇形」の記事における「動静脈奇形(Arteriovenous Malformation)」の解説
動脈と静脈が正常の毛細血管を介さずに異常な交通を生じた先天性の病変。 動静脈奇形には、 頭頚部や四肢などの比較的太い動脈幹と静脈に生じるもの 四肢などの動静脈間に無数の細かな交通を生じるもの(びまん型) 肺や脳、肝臓、筋肉などに塊状の異常血管を生じるもの(局限型) の3つのタイプがあり、第I期(静止期)、第II期(拡張期)、第III期(破壊期)、第IV期(代償不全(英語版)期)の四期にわけられる。症状としては、第I期では皮膚紅潮・発赤、第II期では異常拍動音の聴取・増大、第III期では疼痛・潰瘍・出血・感染、第IV期では心不全がみられる。病期によって治療選択は異なり、手術や経動脈的塞栓術、塞栓硬化療法などがおこなわれるが、治療が困難な疾患である。
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