初期の情報(2017年11月 - 2018年4月)
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「ディズニーによる21世紀フォックスの買収」の記事における「初期の情報(2017年11月 - 2018年4月)」の解説
2017年11月6日、CNBCはウォルト・ディズニー・カンパニーが20世紀フォックス、FX放送、ナショナル ジオグラフィック・パートナーズなどを含む21世紀フォックスの映画エンターテインメント、ケーブル・エンターテインメント、ダイレクト放送衛星部門を買収する契約をルパート・マードックと交渉中であることを報じた。この契約にはフォックス放送、20世紀フォックスのスタジオ・ロット、フォックス・テレビジョン・ステーション(英語版)、FOXニュース・グループ、FOXスポーツは含まれておらず、それらはマードック家が運営する新たな独立した企業に分離されると報じられた。ディズニーのCEOであるボブ・アイガーによると、フォックスの資産を購入するというアイデアはディズニーが独自のストリーミング・サービス(最終的にDisney+と名付けられ、2019年11月に開始される)を立ち上げることを期待してストリーミング企業のBAMTech(英語版)の支配権の過半数を取得した際に生まれた。ディズニーはフォックスの制作能力にはあまり関心を持っておらず、ストリーミング・サービスのライブラリを充実するためにフォックスの映画やテレビ作品のライブラリを取得することに熱を入れていた。 この契約にはX-メンやファンタスティック・フォーなどのフォックスが所有する特定フランチャイズの映画化権、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の配給権(どれも既にディズニーが買収済みであったマーベル・スタジオとルーカスフィルムは所有していなかった)も含まれていた。交渉は成立せずにこの報道時点では停滞していたが、11月10日にはまだ完全に契約が破棄されていないことが報じられた。 11月16日、コムキャスト(NBCユニバーサルの親会社)、ベライゾン・コミュニケーションズ、ソニー(コロンビア ピクチャーズの親会社)が21世紀フォックスの入札合戦に加わったと報じられた。21世紀フォックスの共同会長であるラクラン・マードック(英語版)は直近の株主総会でフォックスは「振興のビデオプラットフォームでの地位を活用することが困難である」とみられていた「サブスケール」の企業には属していないが、代わりに「積極的な成長戦略の実行と株主への大幅な見返りの向上の両方を継続するために必要な規模」を持つ会社であると述べた。 ディズニーはアメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)、コムキャストはナショナル・ブロードキャスティング・カンパニー(NBC)、21世紀フォックスはフォックス放送を所有していたため、ディズニーまたはコムキャストによるフォックスの完全買収は連邦通信委員会(FCC)が定める4大メジャー局のうち2社の合併を禁ずる規則に違反する。 11月28日、『Deadline Hollywood』のマイク・フレミング・Jrはディズニーとフォックス間の交渉が急速に進んでいるという噂に言及しながら、「ディズニーがマーベルやルーカルフィルムとの取引を極秘裏に進めていたことを考えると、これが起こる場合、おそらく発表されたときのみにそれを知る事になるだろう。確かに今日話題になっているね」とコメントした。 12月5日、契約が間近に迫るという噂が続き、新たにFSNリージョナル・スポーツ・ネットワーク(英語版)も売却に含まれることが示唆され、ディズニーのESPN部門との提携の可能性が高いことが報じられた。 12月11日、コムキャストはフォックスの資産に対する入札を取り下げたことを発表した。12月14日、ディズニーとフォックスはアメリカ合衆国司法省反トラスト局(英語版)の承認を待ちつつ2社を合併するための524億ドルの契約を発表した。 2月、CNBCはディズニー=フォックスの契約があるにもかかわらず、もしもAT&T=タイム・ワーナーの合併が成立した場合にはコムキャストがディズニーの524億ドルを上回る額を提示する可能性があると報じた。フォックス会長のピーター・ライス(英語版)はディズニーの提示額に満足しており、フォックスの資産は「ディズニーに最適」であると述べた。 3月初旬、非営利団体のプロテクト・デモクラシー・プロジェクトは、保留中となっているディズニーのフォックス買収に関する2社の通信記録を求めて司法省に対して訴訟を起こした。訴訟ではまた「大統領またはその政権が政治的友好関係者への支持のためにDOJの独立を不適切に妨害しているかどうかを調べるため、司法省による関連する独占禁止法執行の取り組み」が要求された。ドナルド・トランプは自身に批判的なCNNを所有するAT&T=ワーナーの合併を非難する一方で、ディズニー=フォックスの契約を進めるマードックを賞賛した。 2018年4月12日、ライスは2019年夏までに買収が完了する予定であることを明らかにした。2018年3月よりディズニーのコングロマリットの戦略的再編成により新たにディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツとウォルト・ディズニー・ダイレクト・トゥ・コンシューマー&インターナショナルという2つの事業部署が誕生した。パークス&コンシューマー・プロダクツは主にパークス&リゾーツとコンシューマー・プロダクツ&インタラクティブ・メディアの合併であったが、ダイレクト・トゥ・コンシューマー&インターナショナルはディズニー・インターナショナルとディズニー=ABC・テレビジョン・グループ、スタジオ・エンターテインメント、ディズニー・デジタル・ネットワーク(英語版)からのグローバルセールス、配給、ストリーミング部を引き継いた。アイガーがこれを「戦略的に我々の事業を将来に向けて位置づける」と発言すると、『ニューヨーク・タイムズ』は21世紀フォックスの買収を前提として行われた再編成であると分析した。
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