記録媒体としての紙テープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 18:11 UTC 版)
「紙テープ」の記事における「記録媒体としての紙テープ」の解説
「鑽孔テープ」(さんこうテープ)や「穿孔テープ」(せんこうテープ)とも呼ばれるコンピュータの情報を記録するために使われた紙媒体。テレックス用の鑽孔テープは最初の情報用紙といわれており、パンチカード(統計機カード)などとともに初期の情報用紙の一種とされる。 自動パンチ機で穴をあけて、穴の有無で0,1の信号を記録する。情報分野としては、元々は電報用で、アルファベットのみからなるコード体系の5孔のものから始まったが、徐々に拡張され6孔や7孔、1960年代以降のバイト=オクテットの時代には8孔となった。後述するが、幅の広いテープの例もある。 コンピュータ以前にはテレタイプで実用に使われており、コンピュータが起源ではない。またさらに古くは自動演奏楽器で楽譜を記録するために用いられるもの(ピアノロールなど)に起源を求めることが出来る。ピアノロールなどは幅が広いが、幅の狭い鑽孔テープは古くは1846年、アレクサンダー・ベインが電信の自動送信機で使った例がある。また1950年代のコンピュータでも幅の広いテープがある。1990年代前半あたりまではパチンコ店でジェットカウンター(玉数計数機)の出力としても使用されていた。 モスクワの宇宙征服者のオベリスク (1964) には、コンピュータまたは通信技術者と思われる人が描かれたレリーフがあり、その人物は3行の四角い穴の空いた紙テープを持っている。 1970年代のSFアニメ等に於いてはコンピュータが作動している場面のガジェットとしてオープンリールデータレコーダと共によく描かれていた。鑽孔テープのビット列をそのまま読み取って理解するのは、紙テープが記録媒体に使われていた時代のコンピュータ技師にとっては当たり前の技能であった。テープの穴の空き具合は二進法の順序立てられたものであり、0 - 9の数字や若干の制御文字は容易に憶えられ、また手元にASCII、JISやISOの該当する文字コードの一覧表が有れば逐一読み取る事はできる。 かつては駄菓子屋で、使用済みの鑽孔テープが商品として売られており、「スパイごっこ遊び」などで活用されていた。 紙テープは今ではほとんど記録媒体として使われていない。新規システムが入出力に紙テープを採用することはない。CNC機械は既存のデータを活用するために紙テープ装置が比較的長く使われてきたが、それも急速に他の手段に取って代わられつつある。
※この「記録媒体としての紙テープ」の解説は、「紙テープ」の解説の一部です。
「記録媒体としての紙テープ」を含む「紙テープ」の記事については、「紙テープ」の概要を参照ください。
- 記録媒体としての紙テープのページへのリンク