冠光寺流柔術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 10:00 UTC 版)
元々は、如何なる場合にも敵意を抱かず相手を受け入れることで発現する冠光寺眞法を修得するために考えだされた、カトリックの聖地モンセラート山中において隠遁を選択した神父達によって密やかに行われてきた一見柔道や相撲に似た組み技系の荒行である。自分を殺傷せんと加えられる相手の攻撃を受けてなお、相手を愛し受け入れることが可能になるように修練する目的を持つが、襲いくる敵を目の前に己の防御・反撃を完全に放棄しなければならないため、眞法共々至難の業といえる。保江は、冠光寺眞法と併せて、物理法則に裏付けられた力学技法を加味した「冠光寺流柔術」を活人術と位置づけた。そのため、ロシア正教に伝わった同様の技法を基本とする旧ソビエト陸軍の格闘技として発展したロシア武術システマと類似点もあるとされる。最も大きな特徴は「汝の敵を愛せよ」というキリストの教えを柔術技法に活かして合気に似た効果を生み出すことで、筋力や運動能力に劣る者が優る者を制することができることにあるという。 冠光寺流柔術は、現在岡山市野山武道館、関西、名古屋、東京、およびハワイ(ホノルル)にて伝授している。合気(愛魂)を取得するための方法として柔術形式の形をとっている。 DVD「合気を掴む!(基本編)」にて、柔和無拍子な合気の6技法が公開されている。マザーテレサ効果 - 相手のことを本当に大切に思う。それにより相手の筋肉は自然に反応し動く。 支える力の効果 - 長年の友人に会えて「ああ嬉しい」という気持ちで握手するように掴む。 溶け込む力の効果 - 両手で持たれても、心配せず相手に溶け込む。 伝える力の効果 - 掴んできた相手の腕を愛する。「腕フェチ」になり、新しいコレクション増えて喜ぶように。 拡がる力の効果 - 「子供のような心」になる。自由で動ける状態を体で喜び、それを相手にぶつける。 包み込む力の効果 - 投げ飛ばすのではなく、我が子である赤ん坊をお風呂に入れるように包み込む。 DVD「合気を掴む!(実践編)」同、融合大円和な合気の6技法。祈りの力の効果 - まず最愛の人が幸せに生きていけるように願う。頭で願ってもダメで心で願う。 湧き出る力の効果 - 愛情を持って進んで、相手にぶつかっていく。 絡み合う力の効果 - 相手と自分の間に“愛の接着剤”があると思い相手をペターとくっつけてしまおう”という気持ちで接する。 受け止める力の効果 - 相手との繋がりを“愛の糊”で作ると想像する。それから相手の骨格を徐々に変えていくと想像する。 今に生きる力の効果 - “愛の鳥もち”をネバネバと相手との間に出すと想像する。この鳥もちでベタベタベターっとの感じで。 真剣な力の効果 - 愛を全開にして前にだけ出る、それだけ。絶対に下がらない。躱したり逃げたりしたら終わり。 一例として、「秘伝」平成23年6月号に以下の記載がある。合気の仮説として、「合気とは敵の筋肉が無意識下で働くことで敵があたかも倒されたような動作を誘導する技法である」と定義。また、合気挙げの方法として意識による相手の変化を実例をあげて解説している。 ケース1 「相手を母親と思い、幸せを祈る」 ケース2 「ケース1に加え、全人類の幸せを祈る」 ケース3 「ケース1に加え、全人類と全天使の幸せを祈る」 ケース4 「ケース1に加え、全人類と全天使と神様の幸せを祈る」 合気挙げを行う場合の注意点として、抑えこんでくる相手が足の筋肉を鍛えている場合はよく挙がるが、反対に、鍛えてない相手の場合は挙がりにくいことが多いと指摘している。
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