再選挙の実例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 04:03 UTC 版)
法定得票に達する候補者がなく、または不足した場合にも再選挙が行われることになるが、再選挙の立候補資格は通常の選挙と変わらず、元の選挙の候補者はもちろん、新たに立候補することもできる。そのため、形の上では永遠に再選挙が繰り返される危険性があり、これを避けるため法定得票の基準は外国に比べ緩くなっていると言われている。 国政選挙 史上最多の候補者が乱立した1946年衆院選で、2議席分(東京2区と福井全県区の最下位当選枠各1名分)が法定得票に達せず、再選挙となった(この時、東京2区では、広川弘禅、福井全県区では堂森芳夫がそれぞれ当選)。 1954年「奄美群島復帰に伴う暫定措置法に基く選挙」(旧、奄美群島区)で再選挙になっている(保岡武久が当選)。 その他、選挙無効の判決が確定した場合も再選挙を行うことになっており、現憲法下においては一部無効による再選挙の実例がある。1949年衆院選の新潟2区のうち七谷村において選挙事務の大部分を首長部局に一任し選挙管理委員会が選任する立会人による立ち会いが行われなかったこと等を理由として一部選挙無効となり1950年10月に再選挙が行われた事例や1953年参院選の全国区において、栃木県佐野市の投票所で候補者の所属する党派名を誤記したことにより、同年10月に佐野市で再選挙が行われた事例がある。 第16回参議院議員通常選挙(1992年)の選挙公報に記載した学歴の詐称が発覚したことが選挙違反に問われて候補者(議員)の当選が無効となったことを理由として、1994年9月11日に行われた参議院愛知県選挙区における新間正次の事例が存在する。 第25回参議院議員通常選挙(2019年)の選挙運動での河井案里参議院議員(当時)の公職選挙法違反(買収)の有罪が刑事裁判で確定し、2021年2月5日に当選無効となったことに伴う参議院広島県選挙区における再選挙が2021年4月25日に行われた。補欠選挙が現行の年2回(4月と10月)に統一される形で執行となった2000年10月以降では、再選挙の対象となった事例は本件が初めてである。 なお、選挙違反や連座制の適用に関しては、判決が確定する前に議員が自発的に辞任することがあり、補欠選挙として行われることがある。 地方首長選挙 公職選挙法施行以降では、法定得票に達する候補者がなく再選挙となった例は、1979年4月の千葉県富津市長選、1992年2月の奈良県広陵町長選、2003年4月13日の北海道札幌市長選、2007年4月22日の宮城県加美町長選、2017年1月29日の鹿児島県西之表市長選、2017年11月26日の千葉県市川市長選の6例がある。広陵町長選挙(1992年2月2日投票)には7人が立候補し、法定得票に達せず当選人なし。選挙後14日以内の異議申立て期間に訴訟が提起されたため再選挙は50日以内に実施できず、翌1993年8月8日に再選挙(立候補者3人)が行われて当選人が決まるまで町長不在が続いた(町長職務代行者が置かれた)。 当選人死亡で再選挙となった例としては、1992年4月26日の栃木県鹿沼市長選がある(再選を果たした候補が投票日の翌日に死亡)。 選挙無効判決で再選挙になった例としては、1975年6月29日の埼玉県加須市長選がある(埼玉県加須市長選挙無効事件)。 地方議会議員選挙 1971年4月の大阪府議会議員選挙河内長野市選挙区で定数1に対して6人立候補、5月投票の再選挙(5人立候補)でも法定得票数に達せず、6月の再々選挙で当選人が決まった。再々選挙での立候補者は3人。 2007年4月の東京都昭島市議会議員選挙で、定数24に対して23人しか法定得票に到達せず、残り1議席に限り再選挙を実施した。 2011年4月の千葉県議会議員選挙浦安市選挙区で、東日本大震災の被害の復旧の優先を理由に市の選挙管理委員会が選挙事務を行わず、投開票ができなかったため、当選者がおらず再選挙となった。 2018年11月の群馬県昭和村議会選挙で、定数12に対し立候補者が9人しかおらず、残り3議席を対象とした再選挙が2019年1月に行われた(3人立候補し無投票で当選)。
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