六十六部廻国供養塔とは? わかりやすく解説

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六十六部廻国供養塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:48 UTC 版)

汲沢」の記事における「六十六部廻国供養塔」の解説

中村三叉路近く宇田川を望む休憩所から南東へ続く道を進んだところに供養塔があり、正面に「奉納 大乗妙典六十六部廻国供養」、側面に「相州鎌倉郡汲沢 願主」、「天明三年卯年九月吉日」と刻まれている。六十六部とは、六部とも呼ばれ近世まで66か国に分かれていた日本すべての国を経巡り各国法華経納めることにより功徳得ようとする巡礼者を指す。鎌倉幕府成立時有力者である源頼朝北条時政梶原景時前世六十六部廻国聖であったとする伝承定着していたという。人々移動の自由制限されていた時代にあって、この種の巡礼者は「経典収めた銅製経筒を埋納して経塚を築く納経であったり、諸国一宮国分寺はじめ数多寺社巡拝して何冊にもわたる納経帳を遺す廻国行者であったり、また鉦を叩いて念仏をあげ、笈仏を拝ませて布施乞う、そしてときに所持する金子ゆえに殺される六部であったり」と、様々な姿をとりつつ「民俗社会における異人来訪者代名詞のような存在であったという。納経先は厳格に定められてはいなかったものの、相模国においては鎌倉鶴岡八幡宮が有力であり、武蔵国では諸寺社入り混じる中、府中六所神社などがあった。供養塔建てられる経緯としては、巡礼完遂中途での死没、宿の提供、作善など様々なものがあった。汲沢供養塔建てられ天明期すなわち1780年代には、世界的な規模での寒冷化が観察されフランス革命一因になったともされる一方日本では天明2年1782年)、大飢饉発生。翌天明3年1783年)には岩木山浅間山大噴火をするに及び、状況はさらに深刻化する浅間山は、旧暦4月から7月初旬まで、太陽暦5月9日から8月5日頃まで約90日間活動し天明大噴火)、8月4日には関東中部降灰のため昼も暗夜ようになったいう。このときの噴火活動収束した直後にあたるのが、天明3年9月という当地供養塔刻まれ日付である。 口承文芸現れ六部の例を考察し、「外部から特定の村人宗教的力能を与えることができるのが、民俗社会における<六部>」であった論じつつ、六部自身抱いていた信仰内容六部接した村人六部に関して抱いた信仰内容とが一致するものでもなく、そこには「二重構造不整合」が存在しまた、だからこそ生まれる「ダイナミズム理解」することの意義指摘する論文がある。十返舎一九による文化7年1810年刊行の『滑稽江之嶋家土産二編中巻』には、鎌倉長谷観音付近茶屋泊まった主人公二人近所湯屋行った際、湯を汚す行為行った人間として六部登場する

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六十六部廻国供養塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/31 04:34 UTC 版)

壽法寺」の記事における「六十六部廻国供養塔」の解説

巡礼者結縁したことを記念して建てられ供養塔宝永8年1711年2月8日の銘を持つ。大阪市内にある約30基の同種の塔でもっとも古く大きい。平成17年度に大阪市指定文化財指定された。

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