全身性感染症とは? わかりやすく解説

全身性(侵襲性)感染症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/15 07:29 UTC 版)

肺炎レンサ球菌」の記事における「全身性侵襲性感染症」の解説

本来無菌であるはずの血液中で肺炎球菌増殖している状態(菌血症)および、菌血症合併症として発症する臓器・器官感染症侵襲性感染症と呼ぶ。 乳幼児多く見られ細菌進入経路としては鼻咽頭から血流中へと直接進入する考えられている。生後間もない状態は、母親から肺炎球菌対す特異的な移行抗体クラスIgG2)が肺炎球菌感染防いでいるが、この抗体濃度生後数ヶ月急激に減少してくる。一方クラスIgG2抗体産生能が成熟するのは4歳頃であり、移行抗体消失した後から自力産生できるまでの期間は肺炎球菌感染に対して無防備な状態である。そのため、2ヶ月になった可能な限り早期ワクチン肺炎球菌対す免疫獲得しておくことが、肺炎球菌全身感染症予防する唯一の方法である。 細菌性髄膜炎 肺炎球菌の全身性感染症として最も重篤なもの。死亡率数%、神経学後遺症は1〜2割の患者発症するとされる症状発熱頭痛嘔吐意識障害痙攣など。症状の進行極めて急速で、発症から24時間以内死亡する場合もある(劇症型)。 播種性血管内凝固 (DIC) 肺炎球菌限らず敗血症合併症として重要。血液中の凝固因子消費されるため、「凝固」という名を冠しているが症状出血傾向である。血管内に微小血栓作り、その微小血栓各種臓器塞栓症状をきたすと考えられている。結果DICの状態が続くと多臓器不全陥る治療としては、蛋白分解酵素阻害薬メシル酸ガベキサートなど)の投与凝固因子補充新鮮凍結血漿輸血)などがある。 そのほか化膿性骨髄炎化膿性関節炎蜂窩織炎などがみられる肺炎球菌肺炎菌血症を伴うことは成人でも乳幼児でもみられるが、各種研究の結果成人ではまず肺炎発症し重症化していく中で敗血症合併する考えられる一方で乳幼児では鼻咽頭肺炎球菌血流中に侵入し、そこから播種性に肺炎をきたすものと考えられている。無脾症脾臓摘出後で肺炎球菌敗血症は急速かつ致死的になることがあるStreptococcus pneumoniae莢膜をもつ細菌で、莢膜をもつ細菌は、主に脾臓存在する食細胞による免疫グロブリン介したオプソニン化によって除去される無脾症は、抗体介した貪食減少させ、莢膜をもつ病原体対す宿主免疫低下させる

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全身性感染症

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肺炎レンサ球菌」の記事における「全身性感染症」の解説

全身性感染症では治療の遅れが生命危機もたらす危険があるため、治療開始当初からペニシリン耐性肺炎球菌にも有効な抗菌薬投与することが求められる米国ではバンコマイシン(VCM)が推奨されているが、日本ではパニペネム・ベタミプロン(PAPM/BP)などカルバペネム系抗生物質第一選択とされる場合が多い。感受性判明後、可能であればより抗菌スペクトラムの狭い抗菌薬ペニシリン系など)に変更する

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