新鮮凍結血漿(FFP) ( fresh frozen plasma )
新鮮凍結血漿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 08:11 UTC 版)
略称はFFP(英語名のFresh-frozen Plasmaから)。採血後分離した血漿成分を6時間以内に-20℃で凍結したもの。使用直前に30 - 37℃で融解し、融解後は直ちに使用する。直ちに使用できない場合は、2~6℃で保存し、融解後24時間以内に使用する。血漿中にはアルブミンなどの血漿蛋白や種々の凝固因子が含まれる。血中蛋白の不足だけならばアルブミン製剤で補えるので、新鮮凍結血漿が必要になるのはDICなど凝固因子が枯渇している場合である。 2005年から、採血後6か月間の貯留保管が実施されており、現在、医療現場で使用されているFFPは全て採血後6か月間の貯留保管期間を経過した製剤である。保存期間は-20℃以下で1年間。 新鮮凍結血漿の適正使用 一般的に出血量100%以上で希釈性凝固障害が起きた際に使用される。また、凝固因子「第V因子」「第XI因子」欠乏症に対する濃縮製剤は無いため、これを補充するにはFFPを使うしかない。血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) の場合、TTPは血清中にADAMTS13に対する自己抗体ができ、そのためフォン・ウィルブランド因子マルチマーを切断できず血小板血栓が生じる疾患なのでFFPで血漿交換療法を行う。L―アスパラギナーゼ投与に伴う出血には適応となるが、逆にクマリン系薬剤に伴う出血の場合、これは肝臓で第、II、VII、IX、X因子を合成する際に必要なビタミンK依存性酸素反応の阻害剤なので、これらの欠乏にはFFPではなくビタミンKの補充を行う。融解後直ちに輸血を開始するのが望ましい。これは融解してから凝固因子の活性低下が始まることに起因している。 新鮮凍結血漿の投与量計算 予測上昇凝固因子活性値(%)=FFP投与量(ml)×血管回収率(%)/循環血漿量(ml) 例えば体重70kgでヘマトクリット60%の患者にFFP4単位(480ml)投与すると、血管回収率を80%とすると、循環血漿量は70mL/kg×(1-Ht)なので、 予測上昇凝固因子活性値(%)=480(ml)×0.8/70kg×70mL/kg×(1-0.6) =約19.6%上昇する。
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