COPの欠陥と関係した疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 03:52 UTC 版)
「コートマー」の記事における「COPの欠陥と関係した疾患」の解説
新たに形成された分泌小胞は、細胞を離れる前に小胞体とゴルジ体を通過しなければならない。COPIIによる初期分泌経路の問題は、先天性赤血球形成異常性貧血II型(英語版)と呼ばれる疾患を引き起こす。この疾患は常染色体劣性遺伝し、SEC23B(英語版)と呼ばれる遺伝子の変異が原因である。この遺伝子は細胞内のタンパク質輸送の調節に重要な役割を果たす。この疾患の症状には、貧血、黄疸、網赤血球数の低下、脾腫、ヘモクロマトーシス(英語版)などがある。通常、思春期または成人早期に診断が行われる。この疾患は非常に稀少な疾患で、世界中で数百症例しか報告されていない。この疾患の治療法は、輸血、鉄補充療法、脾臓の摘出である。 COPII経路の欠陥と関係した他の疾患には、第V因子・第VIII因子合併欠乏症がある。この疾患では、第V因子と第VIII因子は産生されるものの、血流へ輸送することができない。常染色体劣性遺伝する疾患で、鼻血、過多月経(英語版)、外傷後の大出血などの出血症状が引き起こされる。診断はスクリーニング検査によって行われ、専門医によって分析が行われる。MCFD2(英語版)遺伝子の変異がこの疾患の原因となる。この疾患の治療法は、新鮮凍結血漿(英語版)とデスモプレシンの投与などである。
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