アルブミン製剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 08:11 UTC 版)
急性の低蛋白血症に基づく病態や他の治療では、管理が困難な慢性低蛋白血症による病態に対して、一時的な病態改善を図るために使用する。25%製剤として献血アルブミン「ベネシス」、赤十字アルブミン、アルブミナー、5%製剤として献血アルブミン「ニチヤク」、献血アルブミン「ベネシス(JB)」などが有名である。かつては術後2日間は細胞外液と血清アルブミン濃度の減少がみられるため、様々な輸血製剤が用いられてきたが現在は細胞外液以外の補充は必要ないとされている。乏尿が出現し、細胞外液を負荷するのを躊躇する呼吸障害や低アルブミン血症が見られる場合は、細胞外液とアルブミン製剤を併用する場合はある。 アルブミン製剤の適正使用 50 - 100%の出血では、濃度低下による肺水腫や乏尿を防ぐため使用する。またギランバレー症候群に対する血漿交換の置換液としても使用される。投与後の目標血清アルブミン濃度としては、急性の場合は3.0g/dL以上、慢性の場合は 2.5g/dl以上とする。 人工心肺使用後の低アルブミン血症は一時的なので、また肝硬変による慢性的な低アルブミン血症の場合にも使用されない。 アルブミン製剤の投与量計算 アルブミンの血管回収率は40%、また循環血漿量は70ml/kg×(1-Ht)なので 必要投与量(g)=期待上昇量(g/dL)×体重(kg)×70ml/kg×(1-Ht) /100×2.5 例えば体重70kg、ヘマトクリット60%の患者のアルブミンを1g/dL上げたい場合、上記の式より 必要投与量(g)=1g/dl×70kg×70ml/kg×(1-0.6) /100×2.5 =40gとなる これは5%250ml製剤では、49/(0.05×250ml)=3.92 切り上げで4本必要となる
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