傘等の作品構成物概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:51 UTC 版)
「アンブレラ 日本-アメリカ合衆国、1984-91」の記事における「傘等の作品構成物概要」の解説
1本の傘の寸法等のデータは下のとおり。 『アンブレラ』の1本の傘のデータ高さ(台座部分含む) 6メートル 直径 8.66メートル 重量(台座部分除く) 203キログラム 布地部分の面積 59.3平方メートル 支柱の直径 21.9センチメートル 親骨の長さ 4.77メートル 親骨(楕円)のサイズ 長辺:9.5センチメートル短辺:5.7センチメートル 受骨の長さ 2.27メートル 受骨の直径 7.6センチメートル 傘1本の部品総数 470個 アンカーを含む標準鉄製台座1基の部品数 64個 プロジェクト全体で使用した素材等のデータは以下のとおり。 『アンブレラ』全体の数値データ傘本数 総数:3100本 日本側:1340本 アメリカ側:1760本 台座数 総数:3100基 日本側 標準鉄製台座:1205基 コンクリート製台座:35基 河川用台座:100基 アメリカ側 標準鉄製台座:1625基 コンクリート製台座:135基 布総面積 410000平方メートル 支柱総延長 17.7キロメートル 親骨総本数 24800本 親骨総延長 118.3キロメートル 受骨総本数 24800本 受骨総延長 56.3キロメートル 塗料 7600リットル 総部品数 1655400個 アルミニウム製の支柱の下部側面には穴がある。ここに携帯型の手動ハンドルを取り付け、ハンドルを30秒から45秒ほど回すことで傘を開閉させた。 布地部分はバイアス(生地の布目に対して斜め)に切った三角形の布を8枚縫い合わせて1枚にされた。縫い合わせ部にはロープが縫い込まれ、このロープは親骨のセール・トンネルと呼ばれる溝に差し込まれた。こうすることで、傘の親骨の全部に布が接触することになり、開いたときに傘のラインをはっきりと出し、縁部分はピンと張りながら、風を受けた中央部分は美しくたわむ動きを出すことが出来た。これらの布加工は、世界的なヨットのセイルのメーカーであるノースセール(英語版)(North Sails)によって行われた。また傘の先端は通常の傘にはある石突や陣笠といった構成部品は無く、尖ったものとなっている。これも傘を美しく見せるためのデザインであり、このデザインを可能にするために傘の頂上には特殊なバネが付けられた。 標準鉄製台座は鋼をエックス字に組み合わせた形状である。エックス字の中心には傘の支柱を取り付けるための円筒状の受け軸が付けられた。この受け軸は支柱の取り付けを容易にするため、片方だけを持ち上げ傾けることが出来た。実際の傘の取り付けではこの受け軸を傾け、数人がかりで支柱を金具にかぶせてから、人力で直立させている。また、山肌等の傾斜地に傘を設置した場合でも傘が垂直に立つことが出来るように、受け軸は地面に対し水平にする角度調整が可能なプレートの上に取り付けられていた。エックス字の4つの先端には穴があり、この穴に長さ1メートルのスクリューアンカーを差し込み、台座を地面に固定した。 台座を覆うポリマー樹脂製のカバーも設置された。このカバーは人が座れるように造られており、『アンブレラ』の開催中の写真には傘の下で台座に座りくつろいでいる観客の姿が見られる。 最終試作品の段階で傘の耐風テストが1990年1月29日、30日にカナダのオタワにある、カナダ国立研究委員会(英語版)低速空気力学研究所(National Research Council,Aerodynamic Laboratories)の風洞実験施設で行われた。そして傘は、開いた状態で秒速28メートル、閉じた状態で秒速49メートルの風に耐えられるとの結果が出されている。
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