企業顧客
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 18:48 UTC 版)
1世紀以上にわたって、ケベック州における産業発展は豊富な水力資源によって支えられている。資源の主要な消費元が紙パルプやアルミニウム生産であり、ケベック州における伝統的な産業となっている。2010年、企業はイドロ・ケベックから68.4 TWhの電気を購入しており、同社が州内で売っている全電力量の40.4%を占めている。 ケベック州政府は新たなビジネスを誘致し既存のビジネスと融合させるために電気料金を低く押さえている。電気を求める人が出てくる度に売らなければいけない法的義務があるのにも関わらず、ケベック州では1974年よりケースバイケースで企業に大規模な負荷配分を留保する権利を付与している。1987年から2006年までのしきい値は175 MW、2006年から2015年までのエネルギー戦略では50 MWに設定している。 大規模な企業顧客は家庭、商業資料者より低い電気料金を払っているが、配電コストがより小さいためである。2010年での最も大規模な企業顧客やL料金顧客が払った料金の平均は4.66¢/kWhだが、特別な契約を結んだ企業は3.07¢/kWhだった。 1987年、イドロ・ケベックとケベック州政府は大手アルミニウム企業であるアルキャンとアルコアとの一連の問題のある取引に関して合意を結んだ。これらのリスク分担契約は世界のアルミニウム価格やカナダドルの価値といった一連の要因に基いて電気料金を設定するものとなっている。これらの合意は段階的に公表レートに基づいたものに置き換えるとしている。 2007年5月10日、ケベック州政府はアルキャンとの合意に署名した。この合意はリオ・ティント・グループとの合併に関わらず効力のあるもので、サグネとペリボンカの河川における水利権を更新するものである。交換条件としてアルキャンはケベック州の施設に投資し、雇用とモントリオールにある本社を維持することに合意した。 2008年12月19日、イドロ・ケベックはアルコアとも同じような合意を交わした。この合意は2040年まで有効で、州内のベイ・コモ(英語版)、ベキャンクール(英語版)、デシャンボー=グロディーヌにあるアルコアが持つ3箇所のアルミニウム精錬所(英語版)への電力供給を維持したものになっている。加えて、この取引でアルコアがベー=コモー発電所の発電容量を11万トンに増加する現代化が出来るようになり、最終的に総計54万8千トンにするとしている。 ラヴァル大学のジーン=トーマス・ベルナルドとジェラルド・ベランジャーを含む複数のエコノミストは政府の戦略に反する大手企業顧客への販売はケベック州経済にとって大きな負担だと主張している。2008年に出た記事では、研究者の推定によると現政権下において、ニューヨーク市場に余剰電力を売った時に得られるお金を考慮した時、アルミニウムの新精錬所や拡張プロジェクトでの仕事に伴う州のコストは年間で255,357カナダドルから729,653カナダドルの間とされる。 この問題は大規模な企業顧客によって論議されており、2000年から2006年までのデータによると電気の輸出量が増加すると輸出価格が下がるという逆の結果になっている点が指摘されている。「我々はより輸出することで数少ない有利な点を得られることを発見した」とケベック州の大規模企業顧客を代表する団体のトップであるリュック・ブーランジェは述べており、自身の意見の中で、変動性が高い電力市場や送電インフラの物理的限界は価格が高くなった時に輸出することで電気の量を減らしているとしている。
※この「企業顧客」の解説は、「イドロ・ケベック」の解説の一部です。
「企業顧客」を含む「イドロ・ケベック」の記事については、「イドロ・ケベック」の概要を参照ください。
- 企業顧客のページへのリンク