他機種での利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 03:39 UTC 版)
「Atari 2600」の記事における「他機種での利用」の解説
詳細は「アタリ仕様ジョイスティック」を参照 厳密に「規格」として定められていた訳ではないが、Atari 2600と部分的に互換性のある(少なくとも1ボタンのジョイスティックがそのまま使用可能な)コントローラ用コネクタが、アタリのみならずコモドール等様々な企業のパソコンやゲーム機に採用されている。日本ではPC-6001で2ボタンと拡張し電源ピンやGNDピンの位置を変えて採用された他、NECが規格策定の初期に関わっていたMSX規格が、PC-6001と同一のピンアサインのコネクタを採用した。ゲーム機としてのMSXなどの普及などにより、Windowsが国内で台頭するまで間、この拡張されたPC-6001と互換性のあるピンアサインのコントローラが国内ではデファクトスタンダードとなっていた。また、類似したピンアサインをシャープのX1が採用した。ただし、X1の実装ではPSGの汎用I/Oが直接コネクタに出ているため、コモン端子(X1ではAtari 2600と同じくGND)の配置は同じものの、電源ピンが無く8番ピンを除く全てのピンが入出力端子となっている。ゲーム機ではセガのSC-3000で同様にボタンが追加された仕様のコネクタが使用されており、拡張を重ねながらメガドライブまで使用されていたが、上記のPC-6000シリーズや、MSXとは拡張部分のピンアサインは別のものである。下記の様にATARI2600、MSX、X1、セガのゲームコンソールではインターフェイス側に電気的な互換性は無い。また、これらの互換性はLowになったピンの位置と意味が合致することによって維持されているため、実際のコントローラ側の実装ではスイッチが押下されたときに接続されるピンの差異などもあるため、特に電源を併用するようなコントローラでは注意が必要であり正式に製品が対応を謳っているコントローラを用いることが望ましい。なお、直接の互換性は無いものの、ピンを入れ替えるアダプタを用意することで、別の機種に用意されたものを使用するソフトウェアなども販売されている他、電池ボックスや、モードスイッチを装備することで、複数のコンソールに対応するジョイスティックも発売された。このように、厳密にはピンアサインとしては異なるものの、1ボタンのATARIコントローラが使えることから、これらのインターフェイスは「ATARI仕様準拠」とカタログに書かれていた。 これらの端子は多くが汎用I/Oに接続される形になっていたこともあり、ソフトウェアの制御によって入力デバイス用のコネクタのみではなく、多ボタンの入力機器、マウス、通信ケーブル、MIDI機器の制御など、他の目的に使われることもあった。しかし、ホスト側の実装そのものは機種によって大きく異なり、制御可能な内容そのものも異なる上、これらの機器はソフトウェア側の対応を必要とするため、アタリ規格ではなく対象機種の専用品として販売されていた。 コントローラデバイスの複雑化などにより、1990年代中頃からはゲーム機で採用されなくなった。また、Windowsではドライバも用意されず多くの場合においてATARI規格相当の端子が使用できなくなったことや、それらではPC/AT互換機のゲームポートがサポートされておりそちらが使われるようになっていった。更には、そのゲームポートもレガシーデバイスとして排除され、USB接続が主流になるとレトロゲーム以外では需要がなくなり次第にその姿を消した。 ピンアサインPin No.Atari Joystick Atari Paddle MSX MSX MOUSE SEGA(SC-3000以降) SEGA(MEGA DRIVE) 1UP# NC UP# B0 UP# UP# 2DOWN# NC DOWN# B1 DOWN# DOWN# 3LEFT# BUTTON2# LEFT# B2 LEFT# LEFT# L 4RIGHT# BUTTON1# RIGHT# B3 RIGHT# RIGHT# L 5NC POT1 +5V +5V NC +5V 6FIRE# NC A# TL# 1# B# A# 7NC VCC B# TR# GND H L 8GND GND COMMON STB# GND GND GND 9NC POT2 GND GND 2# C# Start なお、FM TOWNSでは、通常同時に押されることの無い方向キーの上下でSELECT、並びに、左右を同時に押下することでRUNの二つのボタンを標準で拡張しており、重複する方向キーと追加されたボタンは同時に正常に判別することが出来ない。 また、電波新聞社、シャープが販売したアナログスティックは、パラレル通信によって256段階の入力(3軸)と、多ボタン(10ボタン)の認識を可能にしている。 メガドライブでは6ボタンパッドもリリースされており、7番ピンを特定のタイミングで二度Highにする事によって、拡張部分の状態が返されるようにする形で認識ボタンの追加を実現している。同様に、FM TOWNSでも6ボタンパッドが提供されており、これは8番ピンをHighにすることにより拡張部分(C、X、Y、Zボタン)の状態が返されるようになる。
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