今宮祭の変遷とは? わかりやすく解説

今宮祭の変遷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/20 19:02 UTC 版)

今宮祭」の記事における「今宮祭の変遷」の解説

創祀以来今宮神社対す朝廷民衆武家からの崇敬厚く平安時代から鎌倉時代にはもっぱら官祭として執り行われた。12世紀半ばには政情不安から祭り衰えていき、やがて開催自体途切れたが、13世紀半ばには復活しその後室町時代通じておおむね毎年営まれとされる。『康富記』の応永8年1401年5月9日条には、御旅所おたびしょに関する記述初め登場し、また祭礼費用氏子地域地口銭から捻出されていたとされる。同応永29年1422年5月14日条には、鉾に関する記述初め登場する。剣鉾は京都祭礼多く見られる悪霊鎮める目的がある御霊会でもっとも重要な祭具であり、坂本博司は祭礼に剣鉾が関わる神社として33社を紹介している。南北朝時代から室町時代には都市民衆主体となった都市祭礼変化していき、郊外本社から町中御旅所神輿迎えと言う形態成立したとされるが、祇園祭八坂神社)、稲荷祭伏見稲荷大社)、松尾祭松尾大社)、御霊祭上御霊神社下御霊神社)に比べるとやや遅い成立といえる15世紀-16世紀には、京の町が応仁の乱戦国兵乱などに巻き込まれ神社自体荒廃もあって今宮社祭礼中止されることも多かった応仁・文明の乱1467年-1478年)では今宮神社焼失したが、『宣胤卿記』によると文明13年1481年)には既に祭礼復活していたことが確認できる1593年文禄2年)に豊臣秀吉今宮社御旅所再興し神輿1基を寄進中世には5月7日神幸が、5月9日還幸が行われていたが、慶長12年1607年)には還幸日が5月15日変更され祭日5月7日5月15日となった近世に入ると京織物産地として西陣台頭し徳川幕府5代将軍徳川綱吉生母桂昌院尽力今宮祭華やかさ取り戻した桂昌院西陣生まれ産子であり、今宮社対す崇敬西陣対す愛郷の念が非常に強かったという。毎年今宮祭の日には江戸大奥将軍とともに祭事行ったとされ、1694年元禄7年)には御牛車や鉾を寄進したほか、祭事整備氏子区域拡充やすらい祭復興など様々な施策行った近世には『日次記事』、『年中行事絵巻』(第11巻 今宮祭)、『華洛細見図』などに今宮祭様子記録されており、1705年宝永元年)に描かれた『宝永花洛細見図』(巻1 今宮祭礼図)には三本の鉾を先頭にした神幸祭行列描かれている。17世紀神輿巡幸路は大宮通を軸として北大路通上立売通小川通元誓願寺通などで組み立てられ、現在よりも狭い区域限定されていた。 近世今宮祭は現在と似通った形式行われていた。5月7日に3基の神輿が剣鉾などを従えて氏子区域巡幸し、8日御旅所駐輦ちゅうれん)。5月15日には御旅所から再び氏子区域巡幸し、御供所ごくしょ)で神事行って本社還幸した。後述する12本の鉾の他には牛車などが列に加わり神輿駐輦中の御旅所参詣する氏子にぎわったという。剣鉾を出す鉾町12町、祭礼実施財政的に援助する寄町6町、御旅所御供所所在する3町、持ち回り祭礼取り仕切る行事町は、いずれも西陣地区位置した。両組は寛永15年1638年)頃まではまとめて西陣組と呼ばれ今宮祭維持・運営中心的に担っていた。西陣以北地域田畑広がる農村地域だったが、やはり今宮神社主要な祭礼のひとつであるやすらい祭運営主体的に行っていた。西陣以南地域今宮神社氏子区域含まれるようになった経緯不明だが、桂昌院今宮社振興策一環だったとも言われている。

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