人種や民族に対する蔑称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 09:30 UTC 版)
以下は人種差別に関する代表的な語彙であり、ヘイトスピーチとみなされ公共の場での発言は著しく忌み嫌われる。戦争中にはプロパガンダで敵国を侮蔑する表現が多く使われる。 欧米 英語圏ではアフリカ系アメリカ人に対する侮蔑語としてニガー、ニグロ、カラードがある。また、ユダヤ人に対する蔑称にジュー (Jew)、カイク (Kike)、Heebがある。日本人を指すJapがユダヤ人の金持ちのどら息子(Jewish American Prince) を指すこともある。ドイツ人への蔑称は「クラウツ(ザワークラウトから)」「ボッシュ 」「フリッツ」「フン(フン族)」 があり、フランス人に対しては「サレンダーモンキー」「フロッグ」、イタリア人に対しては「ウォップ」がある。北米におけるヨーロッパ人を指す蔑称にはユーロトラッシュがある(トラッシュはゴミの意味)。ヒスパニックの蔑称としてグリースボール (Greaseball) またはグリーザー (Greaser) がある。またこれはイタリア人やギリシャ人の蔑称でもあり、主にアメリカ内で使用される。アラブ人への蔑称はムハンマド、その略称のモ (Mo) などがある。日本人の蔑称としてはジャップ、あるいはニップ、「トージョー」がある。ただしこれはもともとはジャパニーズの省略形で蔑称ではなかった。ほか、日本人が経済的な利益ばかりを追い求める姿を皮肉った語としてエコノミックアニマルがある。中国人への侮蔑語はチンク、韓国人・朝鮮人の蔑称にはグックがある。 中南米 グリンゴは主に中南米でアメリカ人を蔑むときに用いられる。チン、チャン、チョンは、中南米において東洋人全般を蔑むときに用いられる。チーノは、ラテン系言語で中国人を意味する一般語彙であるが、中南米では中国人の蔑称として使用されている。 中国 中国語圏(中国・台湾・香港・シンガポールなど)では日本・日本人への最大の蔑称として「日本鬼子」(リーベンクイズ 日本軍が“日本鬼(リーベンクイ)”と呼ばれていた事から)がある。イギリス人に対して「英国鬼子」とも呼んだ。「美帝鬼子」はアメリカを指す。ほか「小日本」(シャオリーベン)、「倭冦」などがある。韓国・朝鮮人の蔑称として高麗棒子がある。広東語では黒人に対する侮蔑語として「黒鬼」(ハッグワイ)がある。また、モンゴル人が蒙古は「無知で古臭い」という意味を持つ漢民族による蔑称であると主張した。ロシア人に対する蔑称として「ホッキョクグマ」がある。 韓国 韓国・北朝鮮では「チョッパリ」(쪽발이、豚足野郎の意。足袋を豚の蹄に見立てた表現)や「ウェノム」(왜놈、倭奴) が使われる。 日本 日本語における欧米人に対する蔑称としては「毛唐」(毛深い唐人が語源)がある。 このほか、アメリカ人に対する蔑称としてアメ公がある。戦争中の日本では「鬼畜英米」が使われた。黒人を「クロンボ(黒ん坊)」、ロシア人に対するロスケ といったものがある。 朝鮮民族への蔑称としてチョン(チョン公・チョンコ)がある。戦前には「不逞鮮人」などの使い方もあった。 中国人への蔑称としては明治時代の日清戦争前後に出たチャンチャン坊主、豚尾(とんび)などがあり、1918年ごろにはチャンコロという侮蔑語が使われた。ほか兵隊シナ語にポコペンなどがある。このほか、太平洋戦争後、蔣介石が「支那」を侮蔑語として使用禁止を申し出たが、英語Chinaと同源であるとする説もあり、蔑称かどうか日本国内で意見が分かれている。また、GHQが朝鮮、台湾など日本の旧植民地人を「Third Nations(敗戦国でも戦勝国でもないもない第3の国)」と呼んだことから生まれた呼称三国人(第三国人)を蔑称とする主張もある。 近年では、韓国・北朝鮮・中国をひとまとめに表現する語として「特定アジア(特ア、特亜)」がある。
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