人種を知覚する人間の認知能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 14:31 UTC 版)
「人種」の記事における「人種を知覚する人間の認知能力」の解説
人種差別や人種に基づいたステレオタイプ視は意識的に抑制できるが、人種の認識は自動的に無意識に行われるようである。なぜ人間は人種に敏感なのかを説明する仮説は大きく分けると三つある。石器時代の祖先の頃は、他の人種と出会うことはまず無く、従って人種を見分ける能力は他の能力の副産物であると考えられる。 色や形を見分ける視覚能力が肌の色を感知するだけであり、人種概念は実在しない社会構築物に過ぎない。 人種の認識は自然の物体を区別する本質主義的で生得的な推論システムの副産物である。本質主義的な推論システムとは、例えば無機物と動物と植物を区別し、それぞれに共通の特性(例えば動物なら動く、逃げる、襲いかかってくる)があると理解する専門化された認知能力のことで、外見が異なる人には異なる本質が存在すると直観する。 人種の認識は連合や協力のために進化した計算機的メカニズムの副産物である。 実験によれば、無意識に人種で人を区別するが、他に顕著な目印があるとそちらに注目し、人種によるカテゴリ化が行われなくなるようである(対照的に性別によるカテゴリ化は根強く残った)。また同じチームを応援するなどの共通点がある場合には、人種的な偏見やステレオタイプ視は弱まるようである。
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