中学校「音楽」
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現行の学習指導要領において、中学校の音楽科の目標として次の通り示されている。 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、音楽的な見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 曲想と音楽の構造や背景などとの関わり及び音楽の多様性について理解するとともに、創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な技能を身に付けるようにする。 音楽表現を創意工夫することや、音楽のよさや美しさを味わって聴くことができるようにする。 音楽活動の楽しさを体験することを通して、音楽を愛好する心情を育むとともに、音楽に対する感性を豊かにし、音楽に親しんでいく態度を養い、豊かな情操を培う。 「表現」 取り扱う教材として、学習指導要領では「我が国で長く歌われ親しまれている歌曲のうち、我が国の自然や四季の美しさを感じ取れるもの又は我が国の文化や日本語のもつ美しさを味わえるもの」として、各学年において、以下の共通教材の中から1曲以上を含めることとされている。 赤とんぼ(三木露風作詞、山田耕筰作曲) 荒城の月(土井晩翠作詞、滝廉太郎作曲) 早春賦(吉丸一昌作詞、中田章作曲) 夏の思い出(江間章子作詞、中田喜直作曲) 花(武島羽衣作詞、滝廉太郎作曲) 花の街(江間章子作詞、團伊玖磨作曲) 浜辺の歌(林古渓作詞、成田為三作曲) また、歌唱においては「変声期及び変声前後の声の変化について気付かせ、変声期の生徒を含む全ての生徒の心理的な面についても配慮するとともに、変声期の生徒については適切な声域と声量によって歌わせるようにすること。」とされ、器楽については「3学年間を通じて1種類以上の和楽器を取り扱い、その表現活動を通して、生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わい、愛着をもつことができるよう工夫すること。」とされている。 「鑑賞」 鑑賞に関わる知識を得たり生かしたりしながら、次の事項について考え、音楽のよさや美しさを味わって聴くこと、とされる。 曲や演奏に対する評価とその根拠 生活や社会における音楽の意味や役割 音楽表現の共通性や固有性 鑑賞教材は、「我が国や郷土の伝統音楽を含む我が国及び諸外国の様々な音楽のうち、指導のねらいに照らして適切なものを取り扱うこと。」とされている。学習指導要領上は具体的な教材の指定はないが、音楽教科書を発行する大手2社(教育芸術社、教育出版)にそろって掲載されている主な曲は次の通り。 四季より「春」(アントニオ・ヴィヴァルディ作曲) 魔王(フランツ・シューベルト作曲) 六段の調(八橋検校伝) 小フーガ ト短調(ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲) 交響曲第5番ハ短調(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲) モルダウ(ベドルジハ・スメタナ作曲) ボレロ(モーリス・ラヴェル作曲) 「共通事項」 表現及び鑑賞の指導を通して、次の事項を身に付けることができるよう指導する、とされる。 音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し、それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら、知覚したことと感受したこととの関わりについて考えること。 音楽を形づくっている要素及びそれらに関わる用語や記号などについて、音楽における働きと関わらせて理解すること。 「音楽を形づくっている要素」については、指導のねらいに応じて、音色、リズム、速度、旋律、テクスチュア、強弱、形式、構成などから、適切に選択したり関連付けたりして指導すること、とされている。
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