中国を「社会主義をめざす新しい探究が開始された国」とする評価の除去
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 20:43 UTC 版)
「日中共産党の関係」の記事における「中国を「社会主義をめざす新しい探究が開始された国」とする評価の除去」の解説
2019年、日本共産党第8回中央委員会総会において、中国は社会主義の原則や理念から外れているとして、「社会主義をめざす新しい探究が開始された国」と評価する綱領文の削除が提案され、2020年1月18日第28回党大会で正式に綱領が改定され、名指しは避けているものの中国やロシアを念頭に置いた「いくつかの大国で強まっている大国主義・覇権主義は、世界の平和と進歩への逆流となっている。アメリカと他の台頭する大国との覇権争いが激化し、世界と地域に新たな緊張をつくりだしていることは、重大である」という記述が綱領に盛り込まれるに至った。 志位が大会でおこなった「綱領一部改定案についての中央委員会報告」では、中国を「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国とみなす根拠はなくなったことの理由として、八中総での、第一に、核兵器廃絶に逆行する変質がいっそう深刻になっていること、第二に、東シナ海と南シナ海での覇権主義的行動が深刻化していること、第三に、国際会議での民主的運営をふみにじる横暴なふるまい、日中両党で確認された原則に背く行動について、是正する態度がとられなかったこと、第四に、香港や新疆ウイグル自治区などで人権侵害が深刻化していることの指摘が確認され、中国は名指しで批判された。志位報告は、中国はどういう経済体制とみているかは内政問題であり政党としての判断を公にしない、研究者などが個人の意見を述べるのは自由、中国共産党とは関係は日本の政党と中国の政権党との関係として維持し、地域の平和と安定のために必要な協力の努力は続ける、とも述べた。 ただ日中両共産党間に「共通する政治的・思想的立場はない」こと、「(中国共産党の)核兵器への態度や覇権主義の行動、人権侵害は『共産党』の名に値しない行動だと考えている」ことを志位は明らかにしている。 綱領改定以降、日本共産党は中国への批判を強めており、同国の2019年-2020年香港民主化デモに対する対応や香港国家安全法の施行、尖閣諸島問題などについて、日本共産党は中国共産党や中国政府に対して繰り返し抗議している。 このような日本共産党の批判に対して、中国側の広報は表立った反応をしていないものの、2021年7月1日に行われた中国共産党建党100周年記念式典(中国語版、英語版)では日本の与野党各党に祝辞を求めるなか、日本共産党には求めなかったと日本共産党広報部は言った。同日、日本共産党は改めて「中国による東シナ海や南シナ海での覇権主義的行動、香港やウイグルでの人権侵害は、社会主義とは無縁であり、共産党の名に値しない」と批判した。 2021年12月13日、志位が2022年北京冬季五輪について声明し「大会の開会・閉会式に政府代表を派遣することは、中国での人権抑圧の黙認となりかねない。」として政府代表者を送らない外交ボイコットを日本政府に求める考えを表明した。
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