中台企業連合の出資表明と出資取りやめ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 02:22 UTC 版)
「ジャパンディスプレイ」の記事における「中台企業連合の出資表明と出資取りやめ」の解説
2018年9月25日、産業革新機構を改編した産業革新投資機構(INCJ)が発足したが、JDI以外にもルネサスエレクトロニクス等、経営不振の会社への投資を強いられる産業革新投資機構の取締役陣と、経済産業省の対立が表面化し、2018年12月10日、産業革新投資機構の民間出身の取締役全員が辞職。辞職した元・社外取締役の星岳雄が「ゾンビ企業の救済機関」と批判した革新機構は、ついに機能を停止した。同日、2014年の上場時の公募価格が900円で始まった当社の株価が、ついに50円台となった。 2019年4月11日、中国最大の投資ファンド・嘉実基金管理(ハーベスト・ファンド・マネジメント)系の投資会社であるハーベスト・テック、台湾の電子部品メーカー宸鴻光電科技(TPK)、台湾の金融大手富邦金控(Fubon Financial Holding)グループの創始者である蔡一族(中国語版)による、投資ファンドの3社で構成される中台企業連合「Suwaコンソーシアム」は当社に対して800億円の金融支援を行い、それまでの筆頭株主であった産業革新投資機構に代わり、議決権の49.8%を持つ筆頭株主になることで当社と合意した。 中台企業連合の支援を受けることで一旦は合意したものの、当社は事実上の政府支援が付きながら「自己資本比率は視力検査並みの水準」と東京商工リサーチが評価するほどの経営状態であり、想定以上の経営の悪化から、中台企業連合が支援を取りやめる可能性もあった。そのため、2019年4月には産業革新投資機構から200億円の融資、5月には450億円の支援を受け、またアップル社からも3か月ごとの借金返済(もし返済が滞ればアップルがJDI白山工場を差し押さえる契約)を猶予する約束を取り付けるなど、関連組織から支援を得たうえで、改めて中台企業連合の傘下に入ることを目指すこととなった。 2019年4月12日、2019年夏を目途にJDI茂原工場にて有機ELの量産を行うことを発表。アップルウォッチの2019年秋発売モデル向けに量産を開始した。 韓国・中国メーカーのスマホ向け有機ELの量産拡大により、液晶の需要回復の見込みが立たないことから、2019年7月にJDI白山工場を停止し、1200人のリストラを行う。 2019年6月、中台企業連合の1社であったTPKが出資を取りやめ、富邦グループも離脱を表明。同月、中国の嘉実基金は522億円の出資を実施した、アップルがこのうち107億円を負担すると発表された。さらに香港のファンドであるオアシス・マネジメントからの161億円の出資も受け入れ、同年8月7日に中国香港企業連合と正式に資金支援契約を締結したことを発表した。 2019年8月9日、6月末の時点で772億円の債務超過に転落したことを発表。9月26日、嘉実基金管理グループが支援見送りを表明。同日、アップルが支援を200億円に積み増すことを発表。10月、アップルが支援をさらに200億円追加することを発表。 2019年12月、約5億7800万円を着服した元幹部が自殺。この職員が経営陣の指示によって不適切な会計を行っていたという不正会計疑惑が明るみに出る。これを受け、第三者委員会が立ち上げられて調査が行われた。2020年4月に公表された調査報告書によると、上場直後から不正会計が行われており、2019年3月末に自己資本がマイナスに陥っていたことなどが判明したが、経営陣の責任は「意図的に行われたものであるかは不明」ということで不問となった。
※この「中台企業連合の出資表明と出資取りやめ」の解説は、「ジャパンディスプレイ」の解説の一部です。
「中台企業連合の出資表明と出資取りやめ」を含む「ジャパンディスプレイ」の記事については、「ジャパンディスプレイ」の概要を参照ください。
- 中台企業連合の出資表明と出資取りやめのページへのリンク