中台軍事バランスの変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:12 UTC 版)
中国と台湾の軍事バランスは、長年、アメリカの台湾関係法による武器供与もあって台湾側が圧倒的に有利とされてきたが、中国・人民解放軍の急速な近代化により台湾の優位性が後退、近い将来中国有利に逆転するとの懸念が出ている。台湾海峡をはさんだ軍拡競争に歯止めがかかる兆しはない。 中国は1990年代以降、台湾を射程に収めたミサイルを毎年50~100基ペースで増強してきたが、馬英九政権発足後は毎年数百基単位で増加させ、2010年末には2000基に達すると予測されている。さらに2010年内に台湾攻撃用の大型軍艦51隻、潜水艦43隻を配備するなど海軍力も増強し、空軍も台湾から約1100キロメートル以内の地域に戦闘機1900機を配備しているという。 他方、台湾は陳水扁政権時代、立法院で少数与党であったことやアメリカ・ジョージ・W・ブッシュ政権と関係が悪化したことなどから、アメリカの武器供与が滞り、中台軍事バランスの変化に拍車をかけていたが、アメリカが馬英九政権発足後の2008年10月、地対空ミサイル・パトリオット (PAC3)、攻撃型ヘリコプター、対艦ミサイルなど総額約65億ドル相当の武器供与を決定。さらにバラク・オバマ政権も2010年1月、総額64億ドル相当の武器供与を決定したが、猛反発する中国に配慮して新型戦闘機F16や潜水艦の供与が見送られた。
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