中台対話の再開と政治交流の進展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:12 UTC 版)
「中台関係」の記事における「中台対話の再開と政治交流の進展」の解説
2008年3月の総統選で当選した国民党の馬英九は、就任後まず中台関係の改善に乗り出した。九二共識受入れを表明し、中台関係の位置づけに関し、李登輝が打ち出した「特殊な国と国の関係」を否定し、「一つの国家の中の特殊な関係」を提起した。中台が外交関係の奪い合いの中止を呼び掛け、李登輝政権以来15年間続けてきた国連加盟運動を休止し、国連専門機関参加を推進する方針も表明した。陳水扁前政権が拒否していた中国からのパンダ受け入れも決定し、台湾でパンダブームが起きた。2008年12月には、香港鳳凰衛視のインターネット生放送で中国向けの談話も発表した。 中国側も、馬英九政権発足直後から積極的な対話姿勢を打ち出し、まず5月に胡錦濤と呉伯雄国民党主席の国共江陳会談を、6月に江丙坤海基会理事長と陳雲林(中国語版)海協会会長の江陳会談を、11月にAPECを利用した胡錦濤と国民党名誉主席の会談を相次いで実現させた。こうして民進党政権で長らく中断していた海基会・海協会ルートの江陳会談が、馬英九政権になってから年2回のペースで開かれるようになっている。また、中国は馬英九が呼び掛けた「外交休戦」を事実上受け入れ、2009年5月に台湾のWHO総会オブザーバー参加容認に方針転換した。2009年に制作された中国の国策映画である『建国大業』を国務院台湾事務弁公室主任の王毅の勧めで見た蔣介石の孫で当時国民党副主席の蔣孝厳(中国語版)が蔣介石の愛国的一面が描かれたことを「客観的な歴史評価」と称賛して台湾の国民党本部で毛沢東の孫と面会するなど両党の接近は著しかった。 一方、民進党重鎮の陳菊高雄市長も2009年5月に初訪中し、郭金龍北京市長、韓正上海市長との会談を実現。中国は国務院台湾事務弁公室に「政党部」を新設し、民進党の取り込みを始めた。2010年4月には、韓正上海市長が中国の直轄市長として初めて訪台し、台北市と都市フォーラムを開催した。2012年10月には、総統選で馬英九の対立候補だった謝長廷が中国共産党とのパイプを民進党にも築きたいと表明して中国を訪問、王毅主任や戴秉国国務委員と相次いで会談するなど、中台政治交流も徐々にレベルを上げて拡大した。
※この「中台対話の再開と政治交流の進展」の解説は、「中台関係」の解説の一部です。
「中台対話の再開と政治交流の進展」を含む「中台関係」の記事については、「中台関係」の概要を参照ください。
- 中台対話の再開と政治交流の進展のページへのリンク